ENGLISH LEARNING

第58回 説得力upのコツは順序だった!

小熊弥生

世界衝撃TOEIC攻略法

皆様、こんにちは。

いつもブログを読んでくださってありがとうございます。

前回は場にあわせて英語を使い分けるコツについてお話しました。

今日お話したいのは説得力のある話し方です。

日本語をそのまま英語に直して通訳しただけでは、交渉が成立しないことは通訳であれば経験したことがあると思います。

この原因は日本が「阿吽の呼吸」や「以心伝心」と言った言葉があるように、同質性が高い文化だからこそ、論理的な説得よりも感情に訴える説得で成り立つことが多いからかもしれません。

こういうところは学者の方が、研究されているところだと思いますので、私の考察は控えさせていただきますが、実際、どうしたらもっと交渉力をアップすることができるのか、もっと相手を引きつけるプレゼンができるのか、もっと説得力をもたらすことができるのか、そのコツをお伝えします。

まず日本語的な発想での思考というのは、例えば朝遅刻したとしましょう。

その時の言い訳はどんな風に伝えますか?

「今日は朝起きた時に目覚まし時計の電池が切れていたので、それで電車に乗り遅れてしまって、遅刻しました。」

これで問題ないのが日本語ですよね。

しかし、英語にすると…

When I woke up, I found that the alarm clock ran out of the batteries. Then I missed my train and I am late.

「遅刻しましたI am late」と言われるまで、何の話をしているのかわからない、聞く価値がないと思われてしまう可能性もあります。

そこで逆にすると良い説得力をますことができるのです。

簡単ですね。

要は、日本語で、「遅刻しました。すみません。今日は電車に乗り遅れたのです、その理由は、目覚まし時計の電池が切れていたからです。」

とすることです。

I am sorry that I am late. I missed my train because my alarm clock ran out of the batteries.

この順序にすることで、目覚まし時計の電池が切れたことは遅刻の理由ということで、相手もその事実の位置づけを理解して聞くことができるのです。

今日の例は短いですから、そんなに違いを感じないかもしれません。

しかし、現場でも(しかも一流企業の優秀な方でも)実際にあるのですが、これが、長いビジネスの問題に関する内容であれば、背景から始めてしまったら、”What’s your point?”何が言いたいのと詰め寄られても仕方がないのです。

ある時、私はこれは同質性の高い日本人だからと思いましたが、米国企業の研修でもまさにこの内容を伝えていたので、そういう意味では、時間が常に不足するビジネスの世界の常識ととらえても良いのかもしれません。

これを身につける方法は、一度頭の中で最後まで組み立てて、そして、自分の結論から話しだすということです。その次のステップとして、何について話すのかを先に言ってしまい、その後に説明をつけていくという習慣をつけることです。

ちょっとしたことですが、英語だけでなく日本語でも説得力が増すこと間違いなしです。ただ、友達に対してもこういう会話をしてロボットのようだとか言われたこともありますから、場に合わせて使い分けるようにしましょう。

今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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記事を書いた人

小熊弥生

同時通訳者。ビジネスシーンを中心に活躍し、数百億円規模の商談に多数関わってきた。アンソニー・ロビンズ(世界的ベストセラー作家)やノーベル物理学賞受賞者の来日講演、F1ドライバー(ヤルノ・トゥルーリー)の取材、アメリカ最大のプロレス団体WWEの来日記者会見など、数々のイベントでも通訳をつとめる。 短大入学時点では、英語力は平均以下だった(英検四級、TOEIC280点)。それが独自の勉強法を駆使した結果、3年後には通訳デビューを果たす。フジテレビ番組『世界衝撃映像社』に、「通訳」としてレギュラー出演。

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