第33回 英語の長文読解と要約のコツはこれだっ!
皆様、こんにちは。
いつもブログを読んでくださってありがとうございます。
今日は一つご報告があります。
今年6月30日に開催されるTEDx東京のスピーカーに選定いただきました。会場は渋谷ヒカリエです。観覧は既に閉め切られていますが、ストリーミングされますので是非、ご覧ください。
http://tedxtokyo.com/ja/tedxtokyo-2012/
当日は通訳も行いますので、こちらもお楽しみに。
さて、前回は対面で外国の方と会議する時のコツをお伝えしました。
今回は、ブログが役に立っているとハイキャリアのほうに感想をいただき嬉しかったこともあり、その方のご要望に勝手ながらお答えさせていただきたいと思います。
「国家試験に合格後、大学院に進学を考えております。その際に、英語の長文試験があります。いつか、英語の長文の攻略方法をコラム
にお書き頂けましたらと思います。1ページ全部英文で、内容について要約しなさいという場合、1ページ英文というだけで、気が遠くなってしまっている状況です。」
英語の長文試験ですが、まず、私が習った長文の読み方で目から鱗が落ちた方法をお伝えしましょう。
まず最初の文と最後の文を読み、段落毎に最初と最後の文を読む。
たったこれだけなのですが、英語のエッセイでは最初に導入(introduction)ということで何を伝え、最後に結論(conclusion)を書くルールになっているので、最初と最後を読めばだいたいわかるというとっても効果的な方法です。
例えば、下記の一段落でも、最初と最後の文だけで震災によって日本が大きく変貌したという主旨がわかります。
2011 is a year of transformation for the Japanese. As the world witnessed, the largest earthquake in Japan’s recorded history struck offshore of Sanriku, registering magnitude 9. The massive quake was followed by a large tsunami, which caused horrendous damage to an uncountable number of people and to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. The crippled power plant is still suffering from the aftermath of the meltdown, which was caused by the unexpected failure of emergency power sources. Because of this catastrophic disaster, many lost their lives, families, houses, or even their jobs. As the saying goes however, every cloud has a silver lining. A huge amount of aid has flooded into the affected area from both within and outside of Japan, and this continues still.
要約を日本語でするのか、英語でするのかこれによって対策も変わりますので、それぞれの場合についてお話いたしましょう。
通訳を目指す方でも、ビジネスで英語を使う方でも、この要約はとても需要です。
逐次通訳では要約の重要性を理解できる方も多いとは思いますが、実は、同時通訳でも同様に要約は大切なのです。
話者が通訳の存在を全く意識せず、弾丸のように話をした場合、英日、日英に関わらず、同じように弾丸で訳すというのも一つの手段ではありますが、それでは聞き手が何を言っているのが分からない場合も少なく有りません。
特にシンポジウムのような一般大衆向けの講演の場合は、特に要約する必要が出てきます。一番重要なことは何かを理解し、余裕があれば枝葉末節を訳すとしていく、この能力もとっても大切です。
ビジネスでも、外資系企業で通訳を使わずにお客様のために、エンジニアやマーケッター自身が要約して本社の質問を伝える、回答を伝えることが必要な場合が少なく有りません。
若干それぞれ訓練の仕方は違いますので、それぞれ説明していきます。
まず、先ほどの質問にあったように英語の長文を英語で要約するという場合ですが、この場合はTOEICやTOEFLの単語対策と同じで、同義語・対義語がとても役立つと思います。
なぜならば、英語で要約する場合は、言葉を言い換える必要があり、逆に言えば、同義語や対義語で言い換えるだけ、自分の言葉に変えることができるようになります。
ただそれでは要約にはなりませんので、凝縮する作業が必要になります。
凝縮するのもコツがあります。
それは言葉の道標である、接続詞などのキーフレーズをしっかり見つけるということが必要です。
例えば、in conclusion, first of all, however, yet, the point is, most importantly, finallyなどの筆者の言いたいことや結論が後に続く接続詞が出てきたら、そこに下線を引きましょう。
まずはこういう道標を見つけて、その次に来る文を先ほどの同義語で言い換えることで、表現を簡潔で短いものにできます。
日本語で要約を考える場合は、全要約を日本語で作り、最後に英語で言い換える代わりに、キーフレーズの後を熟読し、訳して行くことで、より簡単に要訳ができるでしょう。
以上が、要約についての最も重要なポイントです。
次に逐次通訳、ビジネスの場面で、「伝える」という意味での要約のコツをお話しましょう。
英語でも日本語でも話者は考えながら話すことも多く、そのまま訳してしまうとかえって混乱する場合があります。
混乱するとその誤解を解く時間が必要になり、二度手間になりますから、それを回避するためにも事前に要約の練習をしておく事が重要です。
私がやってみてよかった要約の練習法は新聞の社説を200字で要約する練習です。半年ほど続けることで、かなり改善できました。英語の社説も良い練習問題になるでしょう。特に通訳を目指す方には上記の学習をオススメします。
要約する際には語数を少なくして情報を伝える必要があります。
その際に有効な練習の仕方を紹介しましょう。
まず自分で英作文をします。ビジネスのメールは簡潔に内容を伝えることが求められますので、一番練習しやすいかもしれません。
一度、英語で書いてみた後に、英文読解するように見直しましょう。
I thinkが立て続けにある場合は、それはどうしても必要と感じるところはまず消しましょう。さらに抽象名詞で書き換えられるところがないかを考えましょう。例えば、「来週の空いてる日程があればお知らせください。」という日本語を元に英文にすると
“Could you please tell us the dates when you are available next week?”
となります。
Please let me know your availability for next week.
とすれば短くなりますよね。
同時通訳の場合でもこのビジネスのメールでの練習と同じような考え方で自分のパフォーマンスを改善することができます。
教材を選び、まずは自分で文字通りベタ訳をつけ、英語だけを見直して、上記と同じ考え方で、よりある伝えたい概念を一言で伝えられる単語はないかを探し、編集していく練習です。
例えば、
部門間でばらばらに動いている→silo
もっと積極的に参加が必要です→engagement/involvement
是非状況を受けていれもらえると嬉しい→acceptance
などがあります。
いかがでしたでしょうか?
今回は長文読解のコツと要約するという事をキーワードに様々な勉強法を目的に応じてお伝えいたしました。