第4回 まずは単語から。あなたは、聴覚派?視覚派?
前回は、すでに成功している方から学び、適切な戦略を持って勉強することが大切だということ、そして、目標を細かく分け、その一つ一つの目標を達成できたところでしっかりと自分にご褒美をあげることで、やる気のガス欠を防ぐことが挫折を防ぐ方法であることをお話しました。
今回から、実際の英語の勉強法についてお話していきます。
今回のテーマは学ぶ順序と効果的な学習法です。
日本料理の味付けのコツに「さしすせそ」の順番があるように英語にも勉強がうまく行く順番があります。
その順番について詳しくお話したいと思います。
まずは、「さしすせそ」の「さ」にあたる砂糖ですが、英語の学習の場合、「さ」と同じような役割を果たすのが単語になります。
少し乱暴な表現かもしれませんが、イメージとしては、砂糖が単語、塩が文法、酢が発音、醤油がリスニング、味噌がイディオムや表現力なのです。
なぜならば、単語をインプットすれば、他の勉強法、文法でも単語の意味が分かるからこそ、すぐに文法の基本も理解的、発音もすんなり記憶でき、リスニングも聞き取り易くし、表現力も応用ということですぐ覚えられるのです。
さらに、単語だけでも、自分の発言のポイントだけでも伝えることができるので、ベーシックな会話であれば、単語だけでも成り立ちます。
では、単語を効率良く勉強するためにはどうすれば、良いのでしょうか?
中学時代、私がよくやらされたのが、「英単語を10回書く」という宿題です。おそらくは、筆記体を覚える意味も込められていたのでしょう。
私はこの宿題が大嫌いでした。面倒くさいのはもちろんのこと、その宿題をやり終えても、英単語が頭に残っていないからです。
英語力アップが実感できなければ、楽しめるはずもありませんよね。
今になって思い返せば、上達しなかったのも当然です。私はいざ宿題に取りかかっても、10回ずつ書くことしか考えていなかったのですから。
本来の目的である「英単語を覚える」は、頭から完全に抜け落ちていたのです。
通訳者となり、実践的な学習法を知るにつれ、自分の未熟さを痛感しました。多くの英単語を覚えるためには、はるかに効率的な方法があるからです。
さらに言えば、「自分に最適な記憶法」を使うことで、より効率を高められます。
単語に関して記憶のタイプは、大きく「聴覚派」と「視覚派」に分けられます。つまり、耳で聞いたほうが覚えやすい人と、目で見たほうが覚えやすい人がいるわけです。
例えば、私はelephantという英単語でも発音が耳に残るタイプでスペルは中々思い出せないタイプ。すなわち、聴覚派です。漢字が得意な人、情報が画像のように記憶している方、話を聞いている時に、絵で思い浮かべる方も、視覚派になります。私の用に誰かの名前を記憶する時も音が想い浮かんだり、ものまねが得意だったり、音楽が好きな人も聴覚派であることが多いでしょう。
聴覚派なら、ICレコーダーやCDを使って、どんどん耳に英語を入れていくことをオススメします。通勤時間にiPodなどで、英語を聞き続けるわけです。
家にいるときは、BGM代わりに英語放送をつけておきます。スカパー!やケーブルテレビに加入していれば、「ディスカバリーチャンネル」や「アニマルプラネット」で、海外のドキュメンタリーをいつでも見られます。
海外ドラマを放送しているチャンネルもありますね。料理中やボーッとしているときに、それらをつけておくことで、耳から英語が入るわけです。
意味がわからなくても耳に残る単語を増やすことで、語彙を増やす土台を作れるのです。
一方、視覚派はいつも目に入るところに、単語を貼っておくのが効果的です。トイレに英語雑誌や辞書を置いておけば、自然と目を通します。
通勤時間も携帯電話が活用できます。最近の携帯電話には、インターネットにつながるものも多いですからね。あなたも電車に乗っている間、「Yahoo!」などのサイトで、ニュースをチェックしてはいませんか?
だとしたら、このサイトを日本語版ではなく、英語版にしてみましょう。
たったこれだけで、英語を目にする機会がグンと増えます。今の時代はその気になれば、いくらでも生きた英語に触れられるのです。
そして極めつけは、その2つを組み合わせることです。
聴覚派の人は聞き覚えのある単語のスペルを調べてリストを作る。視覚派の人はスペルを覚えた単語を実際にdictionary.goo.ne.jpなどでどういう音になるか聞いてみる。
この文字と音が一致したときに記憶はさらに一段階深くなり、長期記憶に近づくのです。
10回同じ単語を書くよりも、ずっと効果的だと思いませんか?
しかもガスも長持ちしますよね。
次回は、単語の意外なでもとっても効果的な勉強法の続きをお話していきたいと思います。
どうぞお楽しみに。