第177回 寝る暇もないときに思い出す詩
1日は24時間しかありません。
6時間睡眠だと、人生の4分の1を睡眠に使うことになります。
眠る時間も使えたら、1日を48時間にできたら。そんなことを考えていたら、そんな甘ったれたことを言うな!と、寝ぼけた頭に喝を入れてくれる詩を思い出しました。
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Midnight Oil
Edna St. Vincent Millay
Cut if you will, with Sleep’s dull knife,
Each day to half its length, my friend,—
The years that Time take off my life,
He’ll take from off the other end!
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真夜中に灯す火
エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイ
ぶった斬っていいよ
眠りというねぼけたナイフで
一日一日を半分にね
時間が私の人生から奪う歳月
反対側から奪ってゆく
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これは、、、かっこいい!
時間なんて睡眠にくれてやる、という熱き叫びに、目がバキバキに冴えてしまいそうですね。
Cut if you will, with Sleep’s dull knife,
Each day to half its length, my friend,—
ぶった斬っていいよ
眠りというねぼけたナイフで
一日一日を半分にね
もし睡眠なんて必要ないなら時間が増やせるのに、と考えていた自分が恥ずかしくなるほどの潔さ!
6時間睡眠なら1日の4分の1、8時間睡眠なら1日の3分の1を、睡眠に持っていかれてしまう計算になりますが、そんな計算にうつつを抜かしていると、1日の半分くらい切って持っていけ!と、、、怖くてそんなこと言えません!
The years that Time take off my life,
He’ll take from off the other end!
時間が私の人生から奪う歳月
反対側から奪ってゆく
人生=時間とするなら、人生の残り時間というものは、この瞬きごとに失われていきます。
1日には昼と夜があって、どんな充実した昼の時間を過ごしていても、やっぱり訪れるのは、夜という眠りの時間。それがどんなに惜しくても、「ぶった斬っていいよ」と潔く言える自信が、自分にはまだありません!
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今回の訳のポイント
たった4行の詩ですが、「眠りというねぼけたナイフで」というのが最高ですよね。
作者エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイは、「あまりに多くのことを抱えすぎたときに思い出す詩」など、人生を濃く生きることを歌った詩を残しています。
この詩でも、眠りなんて怖くない。失う時間なんて惜しくない。そんな決意がみなぎっています。
そして、dull knife「ねぼけたナイフ」とは、切れ味の落ちたナイフ。だから、怖くない。自分は目を見開いて、失われていく時間の一瞬一瞬を、脳に、心に、手に、深く深く刻み込んでいる。
そう思えたら、目を閉じてぐっすり眠れ、、、ないですね。
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