第169回 欠点を指摘されたときに思い出す詩
他人から自分の欠点を指摘されるのは、気持ちの良いものではありません。
うすうす自分でも分かっていることを、改めて言葉にされると、チクチクと痛むものがあります。
そんなときに思い出す詩があります。
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Faults
Sara Teasdale
They came to tell your faults to me,
They named them over one by one;
I laughed aloud when they were done,
I knew them all so well before, —
Oh, they were blind, too blind to see
Your faults had made me love you more.
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欠点
サラ・ティーズデイル
みんながね 言うの あなたの欠点を
あれがだめ これがだめって
全部言われて 笑っちゃったよ
だって あなたの欠点なんて 全部知ってるし
みんなはわかってないな 本当にわかってないな
あなたの欠点の数々 だから好きになっちゃったんだよ
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こんな素敵なパートナーがいたら、どんなに幸せなことでしょう!
They came to tell your faults to me,
They named them over one by one;
みんながね 言うの あなたの欠点を
あれがだめ これがだめって
人の欠点は挙げればきりがありません。言葉や行動の端々ににじみ出る欠点。所詮、他人だから、人の欠点をいちいちあげつらうことができるんですよね。
I laughed aloud when they were done,
I knew them all so well before, —
全部言われて 笑っちゃったよ
だって あなたの欠点なんて 全部知ってるし
でも、最も身近な人間からしたら、それは24時間365日いつも目にしていること。今さら他人から言われなくても分かっていること。
Oh, they were blind, too blind to see
Your faults had made me love you more.
みんなはわかってないな 本当にわかってないな
あなたの欠点の数々 だから好きになっちゃったんだよ
「あばたもえくぼ」と言いますが、大好きな相手なら、欠点も素敵なものに見えるんですよね。
「口うるさい」のは、「本当に大切に思ってくれているから」だし、「自己主張が強い」のは「自信のなさの裏返しで苦しんでるだけ」だし、「仕事が遅い」のは「手を抜かず丁寧な仕事をしたいから」なんだ。
そんな風にして、他人からは欠点とされることも、愛おしいものに思えてしまうんですよね。
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今回の訳のポイント
この最高に素敵な詩の最高に素敵な一行は、ここではないでしょうか。
Your faults had made me love you more.
あなたの欠点の数々 だから好きになっちゃったんだよ
英語としてのポイントは、make です。原因と結果を導く動詞なので、Your faults「あなたの欠点」が理由で、love you more「もっと好き」になったと言えます。
人を好きになる理由は様々ですが、他人の目に映る表面的な欠点、その奥にあるストーリーを知っているからこそ、その人のありのままの姿が愛おしく思えてしまう。だから好きになってしまった。これは、胸にじんわり沁みますねえ。
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