第165回 薔薇を見たときに思い出す詩
薔薇は、ロマンチックな愛の象徴。
幾重にも重なる花びらを見ていると思い出す詩があります。
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The Rose And The Bee
Sara Teasdale
If I were a bee and you were a rose,
Would you let me in when the gray wind blows?
Would you hold your petals wide apart,
Would you let me in to find your heart,
If you were a rose?
“If I were a rose and you were a bee,
You should never go when you came to me,
I should hold my love on my heart at last,
I should close my leaves and keep you fast,
If you were a bee.”
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バラとミツバチ
サラ・ティーズデイル
もし自分がミツバチで 君がバラだったら
灰色の風が吹いたら 君に飛びこんでもいい?
君の花びらを開いてくれる?
君に飛びこんで 君の心を見せてもらってもいい?
わたしがミツバチだったら
「もし自分がバラで 君がミツバチだったら
ここに来たら どこにも行っちゃいけないよ
大切な君を やっと この心に留めるんだ
葉を閉じて 君を離さないようにしよう
君がミツバチだったら」
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う〜ん、何てロマンチックなんでしょう!
飛びこむミツバチと、受け入れるバラ。どちらも想いが溢れていて、ドキドキしてしまいますね。
Would you let me in when the gray wind blows?
Would you hold your petals wide apart,
Would you let me in to find your heart,
灰色の風が吹いたら 君に飛びこんでもいい?
君の花びらを開いてくれる?
君に飛びこんで 君の心を見せてもらってもいい?
辛いことや悲しいことがあったときに、腕を広げて抱きしめてくれる人。心の扉を開いて、その中を見せてくれる人。
そんな人に尋ねます。Would you let me in?「受け入れてくれる?」
それに対する返事もまたロマンチック!
You should never go when you came to me,
I should hold my love on my heart at last,
I should close my leaves and keep you fast,
ここに来たら どこにも行っちゃいけないよ
大切な君を やっと この心に留めるんだ
葉を閉じて 君を離さないようにしよう
「君を離さない!」という熱い想いが溢れていますねえ。
君のことを誰よりも理解しているのは、自分なんだ。そんな自分のことを信じていてほしい。自分の心の一番近くにいてほしい人、それが君なんだ。だから、大切にしたい。
そんな想いを、こんな素敵な言葉で表現するとは!
愛とは、与え与えられるもの、と言われます。
それを深く理解する、バラとミツバチのような関係。考えただけで、うっとりしてしまいますね。
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今回の訳のポイント
この詩を訳すのは難しいです。始まって2番目の単語ですでに、どう訳せばいいのか分からなくなります。
だって、英語の I と You が、それぞれ男女のどちらなのか分からないのに、日本語に訳さなきゃいけないんです!
なんで日本語は、「わたし」「僕」「あたし」「俺」なんていう、いくつもの一人称を生み出してしまったのか。
この詩は、どちらが男性でどちらが女性なのか分からないのが最重要なのに、その点において挫折せざるを得ないとは。と、絶望しかけたところに、救世主登場!
「自分」というワードがまだ残っていました!
If I were「もし自分が」に落ち着いて、ラッキーといえばラッキー!
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