第55回 灯台のような人に会ったときに思い出す詩
理想のリーダーとは、どんなひとでしょうか。
リーダーには様々なタイプがありますが、「灯台」のようなリーダーっていいなと思います。
「灯台」のようなリーダーとは、どんなリーダーなのか。
その名も「わたしは灯台になりたい」という詩があるので、読んでみてください。
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I’d Like To Be A Lighthouse
Rachel Field
I’d like to be a lighthouse
All scrubbed and painted white.
I’d like to be a lighthouse
And stay awake all night
To keep my eye on everything
That sails my patch of sea;
I’d like to be a lighthouse
With the ships all watching me.
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わたしは灯台になりたい
レイチェル・フィールド
わたしは灯台になりたい
ピカピカの真っ白な灯台に
わたしは灯台になりたい
一晩中眠らずに
行き交うものすべてに目を配る
自分の海を渡るものすべてに目を配る灯台に
わたしは灯台になりたい
行き交う船みんなが探す灯台に
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この詩を初めて読んだときは、「へー、灯台になりたいんだ。あっそう。」というくらいで、強い印象は残らなかったんです。
ところが、ある時、一行一行の意味が、自分なりにスルスルと入ってきて、自分の目指すリーダー像に近いかもと思ったんです。
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「ピカピカの真っ白な灯台」は、その輝きと存在感で、どこからでも目に入ります。裏表がなく、いつも溌剌としていて、その人がいると、みんなが元気になれる存在。
「一晩中眠らずに」「行き交うものすべてに目を配る」ので、誰よりも働き者で、さまざまなことを考慮に入れて行動する。
「自分の海を渡るものすべてに目を配る」ので、全体像も、そして個別の事情も理解している。だから、関わる人たちひとりひとりのコンディションをよく分かっている。
だから、困難に直面した時には、「行き交う船みんなが探す」ように、誰からも頼られる存在。
それが、「灯台」のような人なのかなと。
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今回の訳のポイント
海と空の青に映える、真っ白な灯台。
All scrubbed and painted white.「ピカピカの真っ白な灯台に」の箇所、scrubbedの意味合いに少し悩みます。
scrubは、ごしごしこすってきれいにするイメージ。
ひとつは、いつもきれいに保たれていて、見た目が整っているイメージ。
もう一方では、人の手でこすられるのでなく、雨風にさらされ、汚れが洗い流されているイメージ。
溌剌としている人は、その見た目と違って、多くの内面的葛藤を抱えていたり、自分や他人の苦しみを味わっていたりすることが、少なくありません。
そんな苦難を乗り越えているせいで、心の汚れが洗い流されているような、というとあまりにもロマンチックでしょうか。
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