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第55回 灯台のような人に会ったときに思い出す詩

にしだ きょうご

今日をやさしくやわらかく みんなの詩集

理想のリーダーとは、どんなひとでしょうか。

リーダーには様々なタイプがありますが、「灯台」のようなリーダーっていいなと思います。

「灯台」のようなリーダーとは、どんなリーダーなのか。

その名も「わたしは灯台になりたい」という詩があるので、読んでみてください。

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I’d Like To Be A Lighthouse
Rachel Field

I’d like to be a lighthouse
All scrubbed and painted white.
I’d like to be a lighthouse
And stay awake all night
To keep my eye on everything
That sails my patch of sea;
I’d like to be a lighthouse
With the ships all watching me.

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わたしは灯台になりたい
レイチェル・フィールド

わたしは灯台になりたい
ピカピカの真っ白な灯台に
わたしは灯台になりたい
一晩中眠らずに
行き交うものすべてに目を配る
自分の海を渡るものすべてに目を配る灯台に
わたしは灯台になりたい
行き交う船みんなが探す灯台に

*****

この詩を初めて読んだときは、「へー、灯台になりたいんだ。あっそう。」というくらいで、強い印象は残らなかったんです。

ところが、ある時、一行一行の意味が、自分なりにスルスルと入ってきて、自分の目指すリーダー像に近いかもと思ったんです。

*****

「ピカピカの真っ白な灯台」は、その輝きと存在感で、どこからでも目に入ります。裏表がなく、いつも溌剌としていて、その人がいると、みんなが元気になれる存在。

「一晩中眠らずに」「行き交うものすべてに目を配る」ので、誰よりも働き者で、さまざまなことを考慮に入れて行動する。

「自分の海を渡るものすべてに目を配る」ので、全体像も、そして個別の事情も理解している。だから、関わる人たちひとりひとりのコンディションをよく分かっている。

だから、困難に直面した時には、「行き交う船みんなが探す」ように、誰からも頼られる存在。

それが、「灯台」のような人なのかなと。

*****

今回の訳のポイント

海と空の青に映える、真っ白な灯台。

All scrubbed and painted white.「ピカピカの真っ白な灯台に」の箇所、scrubbedの意味合いに少し悩みます。

scrubは、ごしごしこすってきれいにするイメージ。

ひとつは、いつもきれいに保たれていて、見た目が整っているイメージ。

もう一方では、人の手でこすられるのでなく、雨風にさらされ、汚れが洗い流されているイメージ。

溌剌としている人は、その見た目と違って、多くの内面的葛藤を抱えていたり、自分や他人の苦しみを味わっていたりすることが、少なくありません。

そんな苦難を乗り越えているせいで、心の汚れが洗い流されているような、というとあまりにもロマンチックでしょうか。

 

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Written by

記事を書いた人

にしだ きょうご

大手英会話学校にて講師・トレーナーを務めたのち、国際NGOにて経理・人事、プロジェクト管理職を経て、株式会社テンナイン・コミュニケーション入社。英語学習プログラムの開発・管理を担当。フランス語やイタリア語、ポーランド語をはじめ、海外で友人ができるごとに外国語を独学。読書会を主宰したり、NPOでバリアフリーイベントの運営をしたり、泣いたり笑ったりの日々を送る。

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