開眼
そんなことを今ごろ、と思われる方も多いだろうが、翻訳者にとって、作業環境は重要。最低でもPCと電話、プリンターと原稿立てを置く場所は快適な位置関係に、そして参考書籍類を広げるスペースは欲しい。
メインのPCはデスクトップ。しかし何かのときのためにノートも1つ用意してあり、無線LANでメールも全て両方に受信するようにしている。何年か前にデスクトップがクラッシュして、それを立て直すためのストレスで自律神経をやられてしまい、半日寝込んだことがある。それ以来の用心である。
危機管理以外にも、ノートのほうに辞書を開いておけば、作業中の画面をいちいち辞書に切り替えなくても済む。デスクトップの方でネット・ラジオを聴いているときは、ネット検索にも使える。
初期の記憶メディアはフロッピー・ディスクしかなかったが、今ではUSBメモリという便利な代物がある。PowerPoint なんてソフトウェアが登場してファイル容量が爆発的に大きくなったので、フロッピーなど出る幕がない。作業中のファイルはなるべくこまめにUSBでバックアップを取るようにしているが、セキュリティ制限がきつくないファイルの場合は、2つあるメールアカウント(Yahoo! アカウントを入れれば3つ)の片方に送信すれば、ノートのほうに受信できる。
とまあ、自分なりに作業環境には気を使っていたつもりだが、今さらながらに気付いたのだ。キーボードがとても使いにくい、と。今までデスクトップを買ったときについてくるキーボードしか使ったことがなかった。
でも、狭いのだ。私が身長165センチもある大女で男性並みに手が大きいというせいもあるが、キーボードのキーが並んでいる端から端までの幅が、私の肩幅よりはかなり狭く、両肘をくっつけるようにしてキーを打たなければならない。窮屈で肩が凝る。
そこで見つけた。キーボードが「ハ」の字型に左右に分かれて並んでおり、全体的にも平面ではなくこんもりとした立体的な形状になっているキーボードを。さっそく購入。
これがめちゃくちゃ快適なのだ。今までの状態が嘘のようである。
しかも、いろんなファンクション・キーがあって、「開く」とか「新規作成」とか「上書き保存」「元に戻す」といった作業がボタン1つ。「マイドキュメント」「マイピクチャ」もある。「スペルチェック」まで!
セットに入っていたマウスは5つボタンで、左の二つのボタンを「コピー」「貼り付け」の作業にカスタマイズした。これでいちいち右クリック→[コピー]としなくてもよくなる。
マウスとキーボードはワイヤレスで、1つの受信機で受けるので、配線も減ったし。電池残量まで画面上で確認できる。
なんだ、なんだよー、こんな快適な道具があったんじゃないかー。
どうして今まで気付かなかったんだ。
よおし! これで作業能率が格段に向上するぞ!
……ネットでごそごそ道草を食ったり、Amazon で本やDVDを衝動買いしていなければ、の話だけれど。