たまにはお仕事のお話も・・・
通訳者・翻訳者のブログでありながら、これまで通訳や翻訳の話をほとんどしていなかったので、今回は最近のお仕事の話を・・・ 「本当に通訳や翻訳をしているのだろうか?」と思われてしまいます・・・
先週の投稿に書いたとおり、5月初旬から各企業のアニュアルレポートを英訳する仕事に追われています。どの企業も3月末で決算をし、日本語版を完成させ、英訳のプロジェクトをはじめるのでしょう。用語や表現には定型の英訳がありますから、数をこなして慣れてしまうと、それほど大変ではありません。とくに報告書に出てくるいろいろな会計用語は、和英辞典の如く単語を置き換えていくだけの作業です。しかし、アニュアルレポートの翻訳を毎年楽しみながら引き受けているのは、巻頭部分にある社長挨拶や、業績概要があるからです。業績を上げた企業。売上が伸び悩んだ企業。新しいイニシアティブを始めた企業。社長の交代があった企業、等など。社長挨拶や、概要報告の言葉の陰に、翌年に向けた意気込みが見え隠れします。
そんな中で一番心に残ったのは、ある工事用機械を製造販売している会社のアニュアルレポートでした。昨年、人命に関わる欠陥製品問題が起こったそうです(翻訳をするまで知りませんでした)。政府からの業務改善命令や、消費者からの激しい叱責を受け、信頼回復のために努めるという信念が感じ取れるレポートでした。
またある別企業からは、社長挨拶の翻訳だけを新たに追加でリクエストをいただきました。この春に社長が解任され、新たな社長になったとのこと。きっと誰も予想していなかった事態だったのでしょう。急遽の差し替え原稿でした。
さて、ボストンの気候も暖かくなってきて、街の中に活気が見られるようになりました。先週は何日か涼しい日もありましたが、Tシャツにハーフパンツ姿で歩いている人や、自転車で通勤している人を見かけます。梅雨の無い土地柄を満喫しながら、6月を過ごしています。