同窓会の様な会議もたまには……
2月6日に帰国した後の国内初仕事は、約2年半から携っている建築関係のミーティングでした。2003年の秋からアメリカへ渡る2004年夏までの1年弱、毎週のようにアメリカとのテレビ会議や、実際に顔を合わせたセッションなどの通訳を担当させていただいたプロジェクトです。当時は土地の入札直後で、色々なアイデア出し、図面を睨みながら「ああでもない、こうでもない」と議論を重ねました。数百分の一に縮尺された模型を見ると、「本当にこんなに凄いビルが建つのだろうか?」と信じられない気持ちになりました。渡米する頃には現場には重機が入り、あちらこちらに深い穴が掘られ、モデルルームなどが作られていました。
そして約1年半が経過した8日朝、建築現場でのセッションに参加してまいりました。最寄りの地下鉄駅から地上に出ると、ドカーンと目の前に広がるのは工事中のメインタワー。上層階はまだ鉄筋がむき出しではありますが、中層階以下は全て18ヶ月前に目にした模型の通り。現場に入るとまだまだ工事中ですが、セッションはメインタワーの9階にある会議室で行われました。建築中のビルでも、下の方にある完成したフロアは使用できるんですね。
3日間に渡るセッションのハイライトは、45階まで資材用エレベーターで昇ったこと。高所恐怖症の私ですが、工事中のビルの45階に行ける機会はめったにありませんから、怖さ半分、興味半分で同行しました(行きたくなくても、行かなければ行けないのですが……)。まだ壁も窓もなく、コンクリートの床と天井やむき出しの鉄骨に囲まれた45階は、今までに見たことのない見晴らしでした。本来は夕日の入り方を確かめるのが目的でしたが、都内の中心に位置する本プロジェクト。360度どこを見ても素晴らしい景色です。富士山、サンシャイン60、新宿副都心、東京湾、お台場などなど。こんな所で景色を見ながら食事ができたら最高でしょう。
こんな楽しいセッションでしたが、久しぶりにお会いすることのできた日米の会議参加者は、誰もが「お、久しぶり!」と暖かく迎え入れてくださいました。何か同窓会のようで、お互いに近況報告をしたり、「あのセッションは大変だったけど、こんなビルが建ったよ」と思い出話をしたり。まだまだ完成には時間が掛かるビルですが、オープンの暁には、ちょっと奮発して最上階のホテルに泊まりにいこうかなあ、と思っています。