久々のハプニング
先週の金曜日の正午少し前。急にある民放局で同通が必要になったとの知らせを受けました。話の内容はBSE。日米間の牛肉輸入の問題に関してアメリカの農務省がレポートを日本の農水省に提出したと言うことで、アメリカの農務長官が電話会見を行いました。私の任務はその電話会見をPC上で聞きながら、同通をするというもの。
「あんまりBSEに関する知識はないけど……」と思いながらもお仕事を引き受け、付け焼き刃で知識と単語を詰め込みました。番組は10時から。しかし会見は9時スタートと言うことで、私の声がそのままオンエアされるのか、字幕を入れるのかも不確定のまま、会見を聞くことができるサイトのリンクが示されると言うオンラインのページを担当ディレクターと8:30頃から睨めっこしていました。通常のブース内に使えるPCがなく、ディレクターのPCを使いながらの待機でしたが、会見開始の9時になってもリンクは現れません。何度ブラウザーの「更新」ボタンを押したことでしょう。すると何処からか電話が掛かってきて、リンクが記載されるサイトに変更があったとの知らせ。急いで新しいサイトでURLを発見し、会見の音声が耳に入ってきました。すでに会見は約5分が経過。一番大切な部分は最初に言ってしまう英語のスタイルで、最初の数分間を聞けないことは致命的です。前後関係もわからないまま、「脊柱の混入は…」「月齢20ヶ月以下の場合は…」と訳をしていきます。
テレビ局内の普通のPCを使って、会見の途中からの通訳では不十分とばかりに、トラブルはまだ続きました。なんと担当ディレクターがPCのメールソフトウエアを閉じ忘れ、私の耳には「ポーン」とメールが届くたびに音が聞こえてきます。また接続状況が悪くなると、音が数秒間途切れてしまうことも・・・ それに加えて会見は一向に終わろうとしません。「数分間の会見」という認識であったテレビ局は通訳者を1人しか用意していなかったため、気付いた時は9:45になっていました。
最初はトップニュース扱いをする可能性もある、と伝えられたニュースでしたが、地滑りや痛ましい事件などが発生したため、45分間の同通もむなしく、結局BSEのレポートは約15秒に短縮されました。トラブル続きの今回の音声をTVで流されてしまうよりは、良かったのかもしれませんが……