ポールマッカートニー氏
7月6日からエジンバラで開催されたG8の首脳会談に先駆け、ボブゲルドフの主導のもとに、アフリカの債務削減などを訴えたコンサートLive8が開催されました。テレビ局の仕事で、スクリーンを見ていたらポールマッカートニーが登場しました。とても懐かしかった。2002年の事、コンサートで来日する直前に、ポールはコンサート中の語りの部分を日本語にして字幕表示をしたいと考えました。そのため、まずLAにいたポールの声を電話回線で東京に送り、それを通訳した音声を東京のスピードワープロのオフィスに送り、そこで日本語の文章にしたものをLAのスクリーンに表示するという、かなり手の混んだテストをしました。結果、この字幕プロジェクトが立ち上がりました。これほど技術の発達した時代、声は自動的に検知されて字になって表示されそうな気もするのですが、実際は驚くほど手間のかかる作業。スピードワープロとは、二人で一チーム、計三チームが一体となって作業をします。例えば、㈰東京では㈪今雨が㈫降っています。という文なら各チームが分担された部分のみを入力し、全部出来たところで一気に文章が表示されます。一人は入力、もう一人は変換をチェクするという作業分担で、まさにチームワークなしには絶対に出来ない作業なのです。コンサートの初回はソフトの関係で文章が途切れてしまいましたが、ソフトを調整した結果、問題も解決され無事計5回のコンサートに字幕をつけることが出来ました。“僕の言ったことが日本語の文章になってスクリーンに表示されるよ”と観客にも説明し、とっても喜んでくれました。あれからもう2年半も経ってしまいましたが、再びスクリーンを通してみるポールはとても元気そう。やっぱり歌っている時は生き生きしていました。ビートルズ全盛時代からもう何十年の年月が経ち、今はメンバーも二人しかいなくなってしまったけれど、これからも是非元気な姿をステージで見せて欲しいです。