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オリビア・ハリソンさん

通訳・翻訳者リレーブログ

1960年代も終わりの頃、元ビートルズの故ジョージハリソン氏が企画したバングラディッシュコンサートは、チャリティーコンサートとしてはおそらく先駆けといって過言でないと聞いています。
先日コンサートのDVD発売にともなう取材でオリビア婦人と電話インタビューする機会があり、色々なお話を聞きました。オリビア婦人とは一度2003年の来日の時にお逢いしたことがあります。その時はエリッククラプトン氏が指揮をとって行われたジョージの追悼コンサートのDVDの発売に伴っての来日で、クラプトン氏ご本人も舞台挨拶には駆けつけ、後ろで応援していました。物腰のおだやかな、とても優しい印象の婦人だったことを今でも良く覚えています。
ジョージはビートルズ解散後、約2年間ものすごい集中力でこのコンサートに力を注いでいたそうです。当時、ジョージの周りのビートルズのメンバー以外の大勢のミュージシャンの友人が、協力してくれたそうです。オリビアさんは大変親切にジョージの事や息子ダニーの事を話してくださりました。以前日本からの大変熱心なファンがジョージをはるばる尋ねてきた事、その時大変寒くて雨のふる日で、可愛そうに思ったジョージがロンドンまで車で送っていった等というエピソードも話していました。(そのファンは感激のあまりロンドン到着までずっと泣いていたそうですが。)
雑誌、新聞の紙面に載る文章や写真のイメージはかなり説得力があり、反面悪用されるとゆがんだり誇張して物事が伝えらるという問題があります。ちょっとしたニュアンスの違いにより、事実と違ったように読者にはとれるような書き方も出来るので、メディアのインタビューはとても気を使います。でもやはり同時通訳ブースに入って来る“声”を訳すのではなく、本人を交えてその場の雰囲気を大事にしながら訳すインタビュー形式のものは大好きな仕事のひとつです。紙に書いた質問を渡すのではなく、人が直接言葉を使って相手と会話をする、まさにコミュニケーションの基本ですので、中立的な立場でなるべく目立たず、黒子のようになって聞く側の気持ちが伝わるようにしています。
オリビアさんとのインタビューは今回電話でしたが、又近いうちに是非来日してお逢いしたいです。息子のダニーさんにも来日していただきたいですね。なにしろジョージにそっくりで、驚かれる方も多いと思います。

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記事を書いた人

大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。

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