本場のアメフト観戦
NYを拠点とするプロのアメフト・チームは2つあり(とは言っても、スタジアムはNJにあるのですが…)、私はファンが多い威風堂々としたGiantsではなく、強くはないけどそれなりに良い味を出し、想定外のプレーが飛び出すことが多いJetsのファン。まぁ、その分「本当にプロ?」と突っ込みを入れたくなるような落胆シーンも何度も目にすることになるのが辛いところです。
アメフトってアメリカでは単なるスポーツではなく、一つの文化であると思います。その知識と興味が少しあるだけで、アメリカ人(特に男性)との会話が弾むことも少なくありません。経験談ですが、会議の合間の休憩時間にアメフトの話で盛り上がり、先方がこちらに心を許したのか?後半からとても通訳がしやすくなったこともありました。
また、こちらにきて徐々に分かったことですが、私の年代以上で既婚女性たちは試合のある日曜日午後はスポーツ観戦に時間を費やすことはあまりいないようです。確かに貴重なお休みですものね。アメリカのコマーシャルでも、積雪の中、外に締め出されても厚着してアメフトのTV観戦に興じる男性たちを皮肉ったモノもありました。なので、彼らにとって、私のようにアジア系の女性がJetsの試合を観つつ、その戦術のまずさを嘆き、時には野次ったりすること自体がとても新鮮で、驚きの事実のようですね(夫は知り合いのアメリカ人から「アメフトの試合を一緒に観てくれるだなんてなんとできた妻なんだ!」と言われたとのこと…その程度で良妻になっちゃうんですね)
アメリカ滞在中にいつか本場のスタジアムでの試合観戦だけでなく、試合前のTailgate partyの雰囲気も味わいたいとずっと願っていました。先週日曜日、その夢が叶いました。
車でスタジアムに行ったのですが、まずは駐車場に入ってびっくり!Tailgate partyの規模は思ったよりも大がかりで正直驚きました。スタジアムの駐車場全体がJetsカラーの緑一色で埋め尽くされたパーティ会場という感じです。こりゃ、楽しいはずだわと納得しました。こういう時間の過ごし方は案外好きかも…生まれて初めて(!)アメリカ人であることが悪くないかもと思った瞬間でした。車の荷台を使って、朝からBBQをしつつ、アルコールを飲み、また子供たちがあちこちミニ・アメフト・ゲームに興じたりして本当に楽しそう。
試合が始まったと思ったらあっという間の4時間強。ここ数試合で負け癖がついていたJetsですが、相手チームがもっと脆弱だったのでなんとか勝利を手にすることが出来ました。個人的にこの観戦での一番の収穫は「生きたヤジ」を聞けたこと。公共放送だと「ピー」と音が入ってしまいそうな言葉や皮肉が強すぎて思わず笑ってしまうヤジにしびれました。例えるなら、阪神タイガースが弱かったころ、熱狂的なファンが阪神の選手に対して吐く愛情あるヤジみたいなものかしら。Jetsファンからせっかく得た収穫ですが、これはさすがに仕事では活かせないのでしょうね〜残念。もったいないから「ヤジ・悪態表現リスト」でも作っておきますか…。
来シーズンからは新スタジアムでの試合となります。今から楽しみです。