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「おーらおーら」詐欺

昼顔

通訳・翻訳者リレーブログ

先日、午前中に犬の散歩でふらふらと街中を歩いていたときのこと。

20代後半と思われる女性が明らかに意志をもって私に近づいてきました。よくあることなので特に警戒することもなく、おそらく道か時間を聞きたいのかしら?と思っていたら、彼女曰く、「あなたのオーラが今、微妙な色合いをしているの。遠くから見ていたけど気になったので話かけました」と。更には「どうやらあなたは自分の望むこと、進むべき道がはっきり分かっているのに、その気持ちを抑えている。魂に耳を傾けてみて」とも。いきなり他人にそんなこと言われても…と戸惑いましたが、犬の散歩中だったことが幸いし、彼女の名刺だけもらい立ち去りました。

思い起こせば日本にいたときにもこの類の方々から頻繁に声をかけられました。通勤の乗り換えの際に必ず通る新宿駅なんてほぼ毎日「手相を見させろ」とか「守護霊が…」などと言い寄られたりして、一時期、「自分はそんなに不幸に見えるのだろうか?」と悩んだこともありましたっけ(笑)。きっと、その筋の方にとって私は(見た目は)典型的な格好のカモに見えたのかもしれません。

さて、今回は指摘された内容については、あまりに曖昧すぎて微妙な感じ。確かに当たってないこともないけど、日本を離れた際にこういう状況になることは想定済みだったし、特に悩んではないはずなのですが…。世の中はなるようにしかならないし、その自然体の中で自分にとって譲れないことだけは最後まで大切にするというスタンスで生きていくしかないですよね。

この件もすっかり忘れたころ、知り合いの日本人から最近マンハッタンで頻発している軽犯罪について教えてもらいました。

その名も「おーらおーら詐欺」。

最初、その名前を聞いたときは何かのギャグかと思って噴き出してしまったのですが、要は道端でアジア人、中でも特に日本人をターゲットにしたオーラ鑑定とそれに付随してのグッズ販売の詐欺なのだそうです。決してこの犯罪の成功率が高いとは思えないですが、こういうニッチな分野にも蔓延る犯罪はあるということですね。

昔に比べていくら安全になったとはいえ、マンハッタンに住む以上は無意識のレベルでもやはり警戒して生活していかないといけないんだな〜と実感した一件でした。

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記事を書いた人

昼顔

外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。

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