ワトソンくん、ありがとう。
動作表現の続きです。
ラブシーンにおいて、男性側の生態をどのように表現するか、自分ではわからないので、とりあえず最初に、うちのダーリンに、極めて生物学的興味に満ちて、こういうときは、ああいうところは、どういうタイミングで、いかなる反応を……と質問をします。生物学的でしょ? でもサンプル数が少ないのも不安なので、男性の友人にもいろいろ聞くのですが、昼間の喫茶店で、声をひそめて○○が××でと話し合っているのは、はっきり言って「変質者」と言われても仕方ない気がします。さらに、友人の勤務先のメールにいきなり問い合わせたりするのですが、会社によっては私用メールを禁止しているところもあり、「このメール、チェックされるとヤバイよぉ」と言われることもあります。まぁ、まぁ。でも、いわゆる私用メールを監視するための、チェックワードにも入らないらしくて、ひっかかったことないです。
でも、感情に直結することが多いので、やはり顔まわりの言い方にいちばん気を使うように思います。それで、映画などでも俳優さんの顔の動きにすごく注目してしまいます。緊張しているときは、どこの筋肉が強ばっているか、悲しいときにどこにしわが寄るか、みたいなことに目がいってしまうのです。顔の表情で役に立つように思うのは、イギリスのグラナダTVのシリーズのシャーロック・ホームズです。もちろん、もともとちょっとしたシャーロッキャンだったということもあり、このシリーズが好きだったのですが、ホームズ役の俳優さん(ジェレミー・ブレットさんでしたっけ?)、日本人には真似できない顔の表情をよくされていたように思います。もちろん眉の上げ方も天下一品(片方のみ、両方とも)だし、鼻だけにしわを寄せたり、首にぴんと筋を浮き立たせたり、こめかみだけをぴくぴく動かしたり、どんなにがんばっても、物理的に日本人にはできそうもない表情の演技をされるので、すごいと思います。特に原作に忠実なエピソードは延原謙さん訳のとつきあわせたりして、その際のホームズさんの心情をおもんばかったりするわけです。昔の書籍で普通に使っていた言葉って、今使えないものも多いのですが、アイデアなどはいただけたりします。