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マザーグースの呪い

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

先週、幼稚園のときにもらった「かるた」に聖書関係の知識を助けられると書きましたが、聖書の他にも、日本で生まれ育つと親しみがないのに、英語圏の人たちは常識として知っていることとして、和訳ではシェークスピアとマザーグースにも気をつけないといけないなと思っています。シェークスピアは本が大好きな英文科卒の人間としては、だいたいこの作品に出てきそうなセリフみたいな見当がつくし、それよりもまず調べることが楽しくて、まるで苦にはなりません。問題はマザーグース! すべてがすごく嫌い! 小さい頃から、わらべ歌として親しんでいるのでなければ、なんでこの不気味な詩に愛着を持てるのか、私には理解不能。わらべ歌って日本のものでも「狸を煮てさ、焼いてさ、食ってさ」みたいな結構不気味なものが多くて、そういう性質のものだとは思うのですが、大人になってきちんと意味がわかるようになってから耳にすると、すごく拒否反応が出ません? なのに、ミョーにマザーグース好きな人っていたりして、そういう人のチェックが入って、ぼろかすに言われたこともあります。
映像翻訳だったのですが、そもそもダビングのダビングテープできわめて音声の悪いものを大至急、ということで、Wincy Spiderが聞き取れず、「(Win?不明)蜘蛛……」として出したら、マザーグース大好きらしい人から、はるかに明瞭な音声のテープでチェックされ、こんな有名な詩を知らない人など、翻訳者として存在すべきでない! と断言されてしまいました。ひえ〜。Wincy Spiderって、Bincy Spiderって言うこと多くないですか? 
そこまでひどい体験ではなくとも、何のこと? と悩み続けたらマザーグースだったり、わかったらわかったで、この無意味さを日本語でどう説明しようかと、すごく時間を取られる気がしてなりません。
実際には中世・摂政期西洋史などは、調べるうちに関係ないところまで夢中になっていたりするので、本当はそんなにマザーグースに時間を費やしているわけではない(費やしていたら、もっと知識が増えてるはずですよね)のですが、うわー気持悪ぅ、と嫌い、嫌い、大嫌い、の思いでいっぱいのため、マザーグースに関しては、無駄に時間を使ってしまった気になってしまいます。私にとっては、鬼門ですね。

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記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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