The Ballad of Japanese Women
テレビをみる話と、人が死んだ話と、昔を感傷で振り返る話が多いことを反省しながらも、今日はそのすべての組み合わせ。ジョン・レノンの映画を先週NHKでやっていたので。といっても、ものすごく英語を使える日本人女性、オノ・ヨーコさんについて。前にも少し書いたのですが、彼女のその都度の年齢を今になって考えると、尊敬の気持ちが強くなるばかりです。60年代後半から70年代の中ごろまで、英語を母国語とするマスコミの人たちに囲まれ、激しく侮蔑的な言葉で批判されながら、きちんと英語で答える彼女って、まだ30代前半だったんですよ! 40年近く昔、日本国内じゃやっと「世界の国からこんにちわ」するぐらいだったんですよ。すごいとしか言いようがないです。
昔のフィルムを見ていてひとつ気がついたこと。いちばん批判されていた頃、ヨーコさんがとても日本女性的なgiggleをするので、それが嫌われる理由のひとつにもなったのかもしれないということです。giggleは「くすくす笑い」と訳されることが多いですが、「きゃっきゃっ」とか「くっくっ」とか「うふふ」とか、記号的な「女学生」がする種類の笑いをあまねく、すべからく含めるように思えます。ヨーコさんは後にはそういう笑い方をしなくなるので、当時の日本女性がそういう笑い方をしたということかもしれませんが、普段「きゃ」という音の組み合わせを自然には発しないはずの私も、全く独りで頼るものがなくて肩肘を張って外国で自己主張しなければならないときに、giggleしてしまっていたような(と、カナダ人の親友に指摘されたことがあります)。
心理学のことはまるでわからないのですが、多くの人が集まっているときに、必要以上に大声で笑う人——食事のとき他のテーブルで「何事?」と振り向いてしまうような状況です、そういう人って不安なんだわ、と思ったことがあります。同様に、どうしてかはわからないけれど日本の女の人ってそういう状況でgiggleしてしまって、不快に思われることがあるのではないかと。いや、若者はそういう笑い方しないのかもしれませんけどね、でも、私も普段はうふふ、とか、きゃっきゃっとかいうようには笑わないんです、実に。