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仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

千葉県佐倉市のほとんど陸の孤島のような場所に、すばらしい美術館があります。
http://www.dic.co.jp/museum/about/about.html
今、大好きなパウル・クレーの特別展をやっているのですが、常設展もいつ行っても出色です。美術館の価値は学芸員、curatorの力量で決まり、コレクションをどういうタイミングで、どのように展示するかにその力量が発揮されると思います。この川村記念美術館は、たとえば夏なら涼やかな色の作品が水辺を連想させるように並べられているとか、細かなところに気配りを感じさせてくれ、すごく優秀なcuratorがいらっしゃるのだろうな、といつも思います。
こんな緑豊かな、どちらかといえば「田舎」的な場所に、これほど優秀な学芸員を集められるのは、おそらくここが大日本インキの関連施設で、色の研究をされる方も多くいらっしゃるからなのでしょう。大日本インキは日本での「色の基準」を作っているといっていい会社で、DICと書いた色見本をご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか、あの会社です。外国でいうPantoneですが、DICのほうが、絶対使い勝手がいいですよね。
美術館の中だけではなく、庭園も広々としていて、美術館の日本画セクションの一角のお茶室から眺める池も本当にきれいです。お茶室では、和菓子にうるさい京都人も大満足のお茶菓子が出ます。初夏のツツジは見事としかいいようがありませんが、その頃はかなり混雑するので、緑がまぶしい夏が私は好きです。空いているし、好きな抽象画の特別展が開催されることも多いのです。
佐倉市は、昔からみんながのびのび暮らしてきたんだろうなあ、こういうところで育つと、きっと長嶋さんみたいなこせこせしない人格になるんだろうなと思える豊かな場所(実際、ああいうタイプの人が多い!)で、美術館の帰りに、城址公園の歴史民族博物館や、佐倉宗吾、それにちょっと有名になった有機野菜のイタリアンレストランの店などに行ったりすると、帰りはすごくゆったりした気持ちになります。
パウル・クレー展は8月20日までです。

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仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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