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持参するもの。

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

学生の頃と大学を卒業してから数年通訳をして、その後20年ほど会社勤めのあと通翻訳者に戻り、今はどちらかといえば主に翻訳をしているため、近頃ときどき通訳をさせていただくと、今昔物語にとまどうことがあります。昔は学術会議などには、やはり分厚い辞書を持って行ったりもしていました(ただ、根が適当な人間なので重さにくじけて、多くの場合「ま、何とかなるか」で手ぶらで出かけることも多かったですが)。最近一緒になる通訳の方って皆さん電子辞書をお持ちで、その性能の優れていることといったら。欲しい。同通ブースでは、マイ・マイク、マイ・イヤホンって常識なんでしょうか? マイ・イヤホンは、ほほー、便利なもんじゃ、と感動しました。欲しい。ブースによく持ち込まれるチョコレートも、昔は明治の板チョコだったのに、キットカットの小袋入りとか、手がべとつかなくていいです。いや、これぐらいは、買えます。ボトル入りの水もよろしい。コップはこぼしがちだし、なくなったら注ぐのも面倒だし、音もするし。昔は何だかアメリカナイズされた人が多かったせいか、コークの好きな仲間が多くて、飲んだ後、いかに「げふうっ」とならずにしゃべり続けるかみたいな(だめですよ、こんなことしちゃ!)ことして遊んだこともありましたけど。
しかし私にとって、もっともなくてはてはならないのは、昔も今も、メモを書くノートです。昔は速記ができる人も多く、私は英文速記ができなくて、キーになる言葉を書きなぐるだけのノートがちょっとコンプレックスでした。ノートはリング式でちぎれるもの、できればミシン目がついていてきれいに切り取れるのが好きです。
と、持ち物に思いをはせたのは明日から通訳でお出かけすることになり、20数年ぶりのお泊り通訳に、何を持っていこうか悩んでいるからです。バッグに入れたのは、まずSpeedoの水着、ゴーグルとキャップ。ランニング・シューズとトレーニングウェア。いえ、通訳者は四泳法でそれぞれ百メートルを2分以内で泳げることとか、十キロを50分以内で走れること、とか条件がついてるわけではないんですけど(そんな肉体的要件があれば、私はイチオシ通訳です、でも、かのさんには負けるかも)。しかし、何を持っていけばいいんだろうなぁ……。

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記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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