3-1-3!
おとといケーブルテレビで『8マイル』をやっていたので、しばらくぶりに観ていたらDJホストが『ER』のプラット先生であることを発見したりして、ちょっと楽しくて、エミネムってやっぱりかっこいいなあ、とCDを聴き始めたのですが……。いつもなのですけど、映像があるとそれほど気にはならないのに、音だけだとやはりあまりに過激な言葉の連続にちょっとまいってしまって、アルバム最後まで聴けません! 基本的に母国語でない言葉で喧嘩することの最大の利点は、ののしり言葉を投げつけられて、それがどういう意味であるかを理解していてもそんなに直接ぐさっと来ないというか、比較的冷静に対処できることで、だからこそ外国語に少し慣れてくると、やたら汚い言葉を使ってしまいがちなので注意しなければいけないというぐらい、母国語以外の汚い言葉って、わりと平気でいられるのです。けど、エミネムの歌詞って……。彼が地球の裏側のババアにどう思われていようが、気にするとは思えないし、怒りがほとばしっているのはわかるのですけど、もう少しだけ、でいいから落ち着いた気分でCDが聴けるといいなあ、といつも思います。けれど、韻を踏んだ言葉が畳みかけてくるのって、英語の詩としても優れたものであると私は思います。
私は日本語でもダジャレみたいなのがまるで弱くて、くだらないとか言われながらもシャレを連発する人って、すごいなあとひそかに尊敬してしまいます。英語の詩がぴっちりと韻を踏んでいると、もう無条件に賞賛! です。エミネムと同じ3−1−3デトロイト、ということで言えば、モータウンサウンドの柱のひとつであったスモーキー・ロビンソンの言葉のセンスがすごいんです。ビートルズがカバーしていた”You’ve Really Gotta Hold on Me”とか作った人です。彼の曲のなかで、韻を踏むという点でとくに感動するのは、あのテンプテーションズの”The Way You Do the Things You Do”という曲で、本当に見事に韻を踏んでなおかつ、若い男の子の心情がすごくかわいく上手に訴えられています。
昔、いつも対立していた営業のディレクターがデトロイト出身で、ふと、最高の歌詞はテンプスのあの曲だよ、と言い出し、二人でこの曲を合唱し、以来仕事がすごくスムーズに運ぶようになったこともあります。rhyme is a big time?? だめだー、韻を持つ言葉が出てこない!