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Sound of Silence

仙人

通訳・翻訳者リレーブログ

私の住んでいる市では、年末に地方選挙がありました。選挙というのは、在宅翻訳者の最大の敵です! 私は特に、音楽をかけながら仕事をするなど問題外、朝の支度のときテレビの音が聞こえているのも嫌というぐらい、「聴こうと意識している音」以外の音があると集中力がとぎれるという極端な「静寂」志向なので、余計そう思うのかもしれませんけど。「聞こえる音」は基本的にすべて嫌、何かに集中して聴くことしかできない感じです。耳栓でもすれば、と思われるでしょうが、ものすごく大雑把なくせに、妙に神経質なところのある性格はここでも出てきて、電話が鳴っても気づかないほど耳栓をしていると、今度は耳の中が、「しーん」と鳴っている音みたいなのが気になるのです。ウォークマン発売時から、耳の中で音が鳴るのも苦手で、ヘッドフォン・イヤフォンタイプのプレーヤーがだめなんです。
さらに、映像翻訳では耳栓をつけるわけにはいきません。音源のよくない映像翻訳などしているとき、いくら家中を閉め切って、高性能のヘッドホンをしていても忍び込んでくる「よろしくおねがいしまーす!」に、手にしたマグカップを投げつけたい衝動を何度も抑えねばならなくなります。近頃は、ソフト路線がはやっているのか、運動員がそろってフォークソングみたいなのを合唱していくのがあって、ハンドマイクを通した超どへたな歌が聞こえてきたときは、かなりきつかったぁ。こういうとき、他の翻訳者の方々はどうされているんでしょう? 我慢ならないほどの音が長時間聞こえると、私は、とりあえず新しくコーヒーを淹れるという作業をすることにしています。
ただ仙人になって心を広く持とうとしている私は、まあこの年末に仕事がなくなってお正月を迎えるっていうのも悲しいだろうなあと、最後のお願いに来た人たちに同情の目を向けたりもしましたが、そもそも、名前の連呼と、よろしくおねがいしますを叫ぶことで、選挙運動としての効果があるんでしょうかね。私は、投票所に行くと、できるだけ選挙期間中に名前を聞かなかった人を探して投票するようにしてるんですけど。

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記事を書いた人

仙人

大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」

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