困ります、訳さなくてもいいって・・・
「これ、まあ、訳さなくてもいいんですけど〜」
って、急に会談中に言われたことありませんか?
通訳者なら必ずこう言う場面に一度ならずとも
遭遇した事があるでしょう。
逐次通訳中、相手の質問に対して答えたり、
いろいろと説明している中で
「これ、訳さなくてもいいんですけど、
本当は〜で、相手が〜だから・・・」
などと、通訳者が困るような愚痴に近い内部事情などを
突然言い出したりするのは、大抵日本側です。
もちろん、ドイツ側にもあります。
でも私の経験上、通訳者が困るような事を会談中や
商談中に言い出すドイツ語圏の人は、
大抵商談慣れしていない田舎の芸術家や職人さんだったりで、
言う内容と言うのも愚痴と言うより、
日本人にはかなり嫌味とも取れる、辛口すぎる
半分本音なジョークだったりする場合が多いのです。
企業のビジネスマンの場合においては殆ど無い様に思います。
レスポンスが遅い、そして甘いと言う企業が
日本に比べると多いヨーロッパの中で、
回答が得られない、遅い、来てもその回答の中身が
中途半端・・・と言う状況で、
日本側がイライラする気持ちも分かりますが、
商談中に通訳者に「言わなくてもいい」と言われて
話が始まるのは本当に困ります。
困りますを超えて何度も続くと、
正直思わずイラッとしてしまうこともあります。
私がイラッとする前に、相手側は、私が何か通訳してくれるのを待っているわけだから困ります。
そして言葉が分からなくても自分達の悪口を言われているのが、
感で何となく分かる人も多いのですよと、言わなくてもいい事を言っているお客様に説明します。
こう言う事が無い様になるべくお客様とは
仕事前に打ち合わせを十分にするようにはしているのですが、
企業秘密と言う側面もあり、ギリギリまで会談内容を
言ってくれない場合も多いのです。
で、会談が始まった途端に愚痴が出る・・・。苦笑
私は、こう言う時には他の話題に変えたり、
話の筋道がそれない程度に違う事を通訳したりして、
通訳を待っている相手を何とかごまかしていますが、
「これ訳さなくてもいいんですけど・・・」
と言って来るお客様、通訳できないような内容を
突然言って来るお客様方には、悠然に対処
しつつ、必ずスマートではないですよと言う事を何となく
伝えるようにしています。
通訳者に訳させなくて良いような事を
現場の商談中にわざわざ言うくらいなら、
打ち合わせの時や会談以外で通訳者に伝えておくか、
商談相手に直接言えば良いと思うのです。
何を言われているか分からない相手は
本当に気分が悪いと思うのです。
相手の立場になって考えてみれば見れば容易に分かる事です。
そう言う時に限って言葉が通じない相手でも、
雰囲気で察してしまうものです。
皆さんはどう思われますか?