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こう言う時って・・・

フレッヒ

通訳・翻訳者リレーブログ

  つい先日、ドイツ語通訳者数名とイベント会社の
社員の方を交えてのお食事会がありました。

 その席上で、衝撃的なお話が。

 あるイタリア語通訳者の方が、
(その食事会に来ていたメンバーの友人)
数年来に渡って
お付き合いのあるクライアントが来日したため
いつもの様にお仕事を依頼され、初日は難なく無事終了。

 2日目の朝、待ち合わせ場所に行くと彼の姿はなく、
しばらく待った後、タクシーの運転手だと名乗る方から
彼女の携帯に電話があったそうです。

 彼の話に寄れば、今乗せた外国人のお客さんが
目的地へ到着する直前に車内で倒れて、今救急車に乗せたところだと。
彼の背広のポケットから、彼女(通訳者)の名刺を偶然に
見つけて電話した次第だと運転手さんは言ったそうです。

 彼女は慌てて、病院に駆けつけ、
彼の家族に連絡して、病状確認をし、2日後に家族は到着。
成田に迎えに行き、病院に送り、家族や本人に付き添う中、
彼は4日後に亡くなったそうです。その後、日本で火葬したので
1週間以上に渡り手続き等で走り回り、お骨と共に
家族を帰国させ・・・。
しかも延命措置を取り外す場に、
自分たちは辛すぎて居たくないと家族に言われ、彼女が最期
を看取ったそうです。

 本当に面倒見が良くて、心温かい通訳者だとは
周りから聞いていましたが、そこで皆実は気になっていたのが
通訳料。

 しばらく経ってから、友人が、
通訳料はどうしたの?と
聞いたら、言えなかったし、貰ってないとの事。

 でも、彼女としては1週間以上走り回って
家族のお世話もし、他の仕事も何も出来なかったわけです。

 私が彼女の立場だったら、どうするか
本当に難しい所ですし、自分では絶対に言い出しにくい。
家族側が気付いてくれて、
言い出してくれるのが一番良いのでしょうが、
エージェントが間に入っていなく、個人で受けてしまった
場合の仕事は、こう言う事予期せぬ事態の時、金銭的な
対処に非常に難しい一面があります。

 私も直で請けているお仕事で
急病人が出て大変な思いをした事がありますが、
長いお付き合いのドイツ人クライアントだし
時間外労働は結局請求せず、展示会と平行しつつ
(思いっきり業務に支障は出ましたが、急病人のドイツ人本人が
その展示会の出展者側だったし、
私一人しか通訳者が居なかったのだから
仕方がないでしょう)何とか乗り切りました。

 そんな話をしたその日の晩に
日本人のクライアントのお兄様がなくなられて
私もお仕事で何度もお会いしているので、明日大宮までお通夜に。

 若くしての急逝だったので、非常に残念です。

 結婚式よりお葬式などに参列する事が多くなってきた
ここ数年。年を感じると共に、自分の健康管理にも
本当に気をつけようと思っています。

Written by

記事を書いた人

フレッヒ

高校時代をドイツで過ごし、日本の大学を卒業後、再び渡独。ドイツでの日本企業勤務を経て10年前よりフリーランスドイツ語通訳者として活躍。車関係全般・ジュエリー・スポーツ関係・整形外科分野を得意とする。普段はワイン・焼酎をこよなく愛し、庭で取れたハーブやジャガイモで主人や友人達とBBQしながら休日を過ごすのが大好き。そして大の八重山諸島フリーク。

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