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集中する方法

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 いよいよ寒さも本番になり、師走になりました。なのに(だから?)ますます忙しい今日この頃です。ありがたいことです。しかしこのヒマな時と忙しい時のギャップに付いていくのに必死です(汗)。ただし、個人的には忙しいのが好きで、みっちり仕事があるとアドレナリンが出る猪突猛進タイプなのです。だからか、たまにヒマになると返ってどこにエネルギーをぶつけてよいやらわからなくなって、意味もなくぼうっとしてしまったりします。できれば通年で今のペースのままいきたいところですが、自分でコントロールできないところが悲しいかな、フリーランス翻訳者の定めですね。それはさておき。このクソ(失礼!)忙しいときには、事前に効率的な計画を立てることも重要ですが、仕事をする際の集中度が、翻訳文の完成度やスピードに大きな影響を与えます。我が家には小学校一年生の息子がいるので、息子が起きてから学校に行くまでの約一時間と、学童保育から帰ってきてからベッドに入るまでの数時間はどうしても仕事の手を止めざるを得なくなります。そうなると、本格的に集中して作業に没頭できるのは、息子がいない昼間か、家族の寝静まった深夜になります。ここでいかに集中度を上げて完成度の高い翻訳文を生み出すかにすべてがかかっていると言っても過言ではありません。今まではとにかく、集中するには完全無音が私にとっての絶対条件でした。以前社内翻訳者として勤めたとある会社では、上司にあたる女性がデスクにラジカセを持ち込んで、一日中ラジオなのか有線放送なのか、音楽やらしゃべっている声やらが聞こえてきていたことがありました。こういう音は自分が集中した瞬間に急に大きく聞こえるようになって、ついこちらも何を言ってるんだろう、と「聞いて」しまったりして、せっかく一旦は集中したのに、台無しになることがありました(しかも実はその音が頑張っても聞こえないぎりぎりの音量だったりするので、余計気になるのです)。だからこそ、自宅で仕事をする際には無音、だったのですが…。最近のこのツメツメ状態に、なんだかすっかり潤いがなくなってしまっているのも事実。幸い、今請けている大量翻訳は比較的手の進むコンピュータ系の仕事。ここで思い切って、BGMを少しかけてみることにしました。普段私はほぼクラシックばかり、しかもオペラなどの人の言葉の入ったものではなくて、オーケストラものや、器楽系のものばかり聴いています。特に好きなのは、印象派のラヴェルやドビュッシー、そして物語的要素の強いチャイコフスキーなどの曲。しかし、ここでつい好きな曲をかけてしまったりすると、やはり「聴いて」しまって、挙句は鼻歌などを歌ってしまって集中どころの騒ぎではなくなります。そこで、普段はあまり聞かない静かな音楽、モーツァルトなどを流してみることにしました。すると効果絶大! かすかな音量の音楽が、返ってそれ以外の外の音(例えばバスや車の通る音、近所を歩く人たちの話し声など)を遮断してくれることがわかったのです! おかげで普段以上に集中をして翻訳に没頭できて、なかなか快調です。しばらくはこの方法で集中度を高めて、大量翻訳に当たって、心穏やかに年末年始を迎えられるようにしたいと意気込んでいます!

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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