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抜けた歯の行方

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 ここのところ立て続けに2本、息子の歯が抜けました。そして抜けた歯は、息子が寝る前に枕の下に入れて、フェアリーがやってきて100円玉と交換してくれました。…実はコレ、私の入れ知恵でした。私はちょうど歯が抜ける年代にイギリスに住んでいたため、「抜けた歯は枕の下に入れておくとフェアリーがやってきて、お金と換えてくれる」という彼の地の習慣に基づいて、すべてお金(たしか2ペンスだった気がします)と換えてもらったのです。いざ息子が歯がぐらぐらになってみたら、私はこの習慣しか思いつかず、何の疑いもなく息子に「歯が抜けたらフェアリーがお金と取り替えてくれるよ」と言ってしまったのです。最近お小遣い制になってお金の価値がわかり出した息子は、大喜び。でも、その話を横で聞いていた主人は、「歯は抜けたら屋根の上か縁の下に投げるんだよ」と言うのです。そうでした。そういえば日本の習慣はそんなだった気もしてきました。でも、時既に遅し。もうかなり前から息子は「歯=フェアリー=お金」という図式がインプットされてしまっていて、いまさらやっぱりお金はもらえない、というのは受け入れがたかったようなのです。そんなわけで、この超ドメスティックな我が家において抜けた歯の習慣だけは、イギリス式です。学校に行ってその話をしたところ、息子の友人は皆一様にひどく羨ましがったようです。そりゃそうですよね。ごめん、息子よ。ちゃんと日本の習慣を調べて教えてあげるべきでした。とはいえ、2本だけフェアリーがやってきて、あとは投げる、というわけにもいかないので、今後歯が抜けても我が家ではこの方法で行こうと思います。ちなみにちょっと興味があって調べたところ、世界中には日本と同じように縁の下や屋根の上に歯を投げる国や、イギリスのように妖精やねずみやウサギなどがプレゼントと交換してくれる国、別の動物に食べさせる国、将来の夢を託してその場所に歯を埋める国、金メッキをしてペンダントなどにする国など、実に様々な習慣があることを知りました。今回は下の歯2本だったから、上の歯だったら違うやり方にしてみてもちょっと面白いかも、などと考えるいい加減母の私でした。それじゃあ息子が成長して大人になった頃に怒られちゃうかしら…?

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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