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幸せのおすそ分け

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 日曜に、とっても久しぶりに友人の結婚式に出席しました。こんなことを書くと年齢がバレそうですが、そろそろ周囲の結婚のピークも過ぎた頃で、親戚ではない友人の結婚式に出席するのは何年ぶりかしら、という状態でした。当然、こちらはコーフン状態。ですが、今回はそれだけではありませんでした。なんと、外人さんも多く出席するので、ということで、恐れ多くも挙式・披露宴の際の通訳をおおせつかってしまったのでした。私は普段は翻訳一本で、通訳は正直な話、普段翻訳をしている関連のものでもない限り、ほとんどしません。でも、その友人と一緒にいた頃は、とある企業の社内翻訳者を務めていて、ピンチヒッターの通訳も努めていたのです。その頃のことを覚えていてくれたために、今回のご指名となったのでした。しかも、基本的にはパナガイドを使った同時通訳。話を聞いた当初は本当に緊張しました。でも、日が近づくにつれ、スピーチ担当者から続々とメールが届き、詳しく原稿を送ってくださったり、話の骨子を教えてくださったり、果ては「通訳してくださるとのことですから、原稿を丸暗記します」とまでおっしゃってくださった方まで出てきたのです。本当にありがたい限りでした。そうして迎えた当日。友人は本当に幸せそうに輝いていました。会場に向かうまでは、色々と段取りやら、原稿の届いていない方のスピーチのことやらで頭が一杯だったのに、実際に友人の姿を見たら、なんだかそんな悩みはとてもちっぽけに思えてしまい、結局通訳もその無心状態のまま、続けることができました。話をする方々も皆さん協力的で、時折こちらを見ては話す速度を落としてくださったり、私が訳し終わるのを待ってくださったり。お仕事で請けた通訳であればこうはいかなかっただろうなぁ、と思うと、ありがたいと同時に、皆が友人の晴れ舞台を一緒に作り上げるために、彼女のために努めてくださっているのだなぁ、という風にも考えられて、友人が輪をかけて幸せに見えて、ますます感激してしまったのでした。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、私の通訳タイムも、気がついたら終わっていました。100%正確には、残念ながら訳すことはできませんでしたが、きっと全体の雰囲気は伝えることはできたのではないかと思っています。そして、何よりも友人の人生で大切な1ページに、私も記憶に残る者として参加できたのがとても嬉しかったです。唯一残念だったこと…どうやら普段は押し黙って仕事をしているのに、急にたくさんしゃべったせいなのか、披露宴のあたりから声がしわがれ声に…。結局披露宴の間中、私はダミ声のままでした。イヤホンを通してダミ声を聞くなんて申し訳ない限りですが、こればかりはどうしようもありませんでした。ご出席された外人の皆様、失礼いたしました!

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記事を書いた人

パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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