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本選び色々

パンの笛

通訳・翻訳者リレーブログ

 今年の読書体制のために、以前以上に足しげく図書館に通うようになりました。図書館と本屋さんの決定的に違う点—それは、図書館は本を売り込んでくれないところ。基本的には以前からいつか読もうと思ってリストに載せている本は山ほどあるのですが、時々その大事なリストを忘れてしまったり、なんだか計画的でない本選びを楽しみたいと思ってしまったりして、リストを持たずに図書館に行くときがあります。でも、そうなると本当にどこから選んだら良いものか、迷ってしまうのです。若い頃に読みそびれてしまった超定番ものを読むべきか、私の趣味とはかけ離れていたために手に取ったことのなかった作者の本を選ぶべきか、はたまた、ぽっと目に付いた本を適当に読んでみるべきか…。一人で長考状態に陥って、本棚の間を行ったり来たりしてしまいます。先日やはりリストを持たずに図書館に行った際には、これまでに読んだことのない作者の本を読んでみようという気になりました。そして、帰宅して早速ページを開いて読んでみたのですが…。あぁ、違いました。決定的に、私のあまり楽しめないタイプの本でした。どうも、私は本を読み始めるとあまりにも没入してしまって、完全にその「ワールド」に入り込んでしまうのです。ですから、読んだ本が私の好きな世界や、興味を抱いているワールドならば、その楽しい感覚やワクワク感がいつまでも残ってとても楽しいのですが、ちょっと苦手なワールドだったりすると、本読みが終わった後もその苦い感情を払拭するのにとても時間がかかってしまうのです。そして今回の本は正に後者のタイプでした。本当はそういう自分の固定観念を主張せずにとりあえず最後まで読んでみれば良いのでしょうし、最後まで読んで自分なりに内容を消化できればその「苦手ワールド」の向こう側に新しい楽しい世界が開けてくるのかもしれないのですが…今回はそこまで到達するまで、ずっとこの苦々しい感情を抱え続けていることに耐えられそうにないと感じてしまって、結局途中で読むのを断念してしまいました。すぐにはこの作者の本に再挑戦することは難しそうですが、しばらく期間を置いて、私の人間性がまた少し変わってきた頃にトライしてみたいと思います。それまでは、例のリストの一番下にこの本を記しておこうと思います。

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パンの笛

幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。

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