リスティパリ
先週、コミュニティ通訳資格の準備講座に通っていることを書きましたが、その後、日本のコミュニティ通訳はボランティアが大半だという話を聞きました(それにもいろいろな事情があるようですが・・・)。そこで補足ですが、フィンランドの場合は、移民の増加に伴って1998年にコミュニティ通訳の職業資格制度ができました。資格がなければできないということはないようですが、フィンランド当局は一定の通訳教育を受けた人材を強く希望しているとのこと。近々に、ポリテクニック(職業高等教育機関)で学士レベルの教育も開始される予定とのことです。
それはさておき、今日のタイトルとなっている「リスティパリ(Ristipari)」。これは現在、当家の夕食後の娯楽としてミニブームになっているトランプゲームの名前です。7並べ(フィンランド語でリスティセイスカ)とババ抜き(フィンランド語でパリペリ。パリ=ペア、ぺリ=ゲームです)から生まれた名称なのですが、ゲームの方も両者の折衷型というのか、こんな風に遊びます。
㈰全員に札を配る(注:ジョーカーは使わない)
㈪クラブの7を持っている人が場に出す(注:日本の7並べではダイヤの7ですが、フィンランドではクラブの7から出すらしい・・・)
㈫次の人は、同じ数の札(この場合は7)があればをそれ出す。ペアになった札は場から撤収。その後、手持ちの札から好きなものを一枚出す。7がなければ、7を場に残したまま任意の札を一枚出す。
㈬次の人以降、場にあるのと同じ数の札を手元にあるだけ出し、ペアになった札は場から撤収。その後、手札から好きなものを一枚出す。ペアが作れない場合は、任意の札だけ一枚出す。
㈭㈬を繰り返して、早く手札がなくなった人が勝ち。
一度に同じ数同士のペアをたくさん作れれば作れるほど手札も早く減る、というとても単純なゲームなのですが、相手の動きが読みにくいため戦略が立てづらく、どんでん返しも結構あり、大人でも小さな子供に簡単に負けてしまうことがあるのがミソでしょうか。強いていえば、手札の中に同じ数の札が2枚以上ある場合、手札にペアのカードを残さないよう、できるだけ早く出していくのがコツかなと思います。
実はこのゲーム、現在6歳になる息子が、一昨年の夏休み、つまり4歳の時、家族で休暇を過ごしたフィンランド湾沖の無人島のコテージでトランプをしていたときに突然発案したものなのです。最初は、彼が何を言いたいのか誰も理解できなかったのですが、、、彼の言葉を何とか拾いながら実際にゲームをやってみると・・・これは何だか、いける感じ!こんな幼児がこんなことを思いつくとは・・・両親、当時7歳の娘以下、年長者は皆驚きを隠せませんでした。
「初めはみんな、笑っていたでしょ」と、4歳当時の(現在の、ではありません)息子の弁。わが息子ながら、彼は一体何者・・・?でも、あくまでこの点に限っては天才、なのか・・・!?
ちなみに息子の原案では、場から札を撤収する人は「ケラーヤ(コレクター)」と呼ばれ、ゲームをせず撤収だけを行う専門家でした。まだ一人でトランプで遊べないような小さい子は、専属ケラーヤとしてゲームに参加してもらうのもまた一興。
フィンランドでは今週から学校が夏休みに入っており、今月下旬の夏至祭からは本格的なバカンスモードに入ります。日本とは少し時間差がありますが、夏休みの娯楽に、フィンランド生まれのトランプゲーム、リスティパリはいかが。騙されたと思って(笑)どうぞお試しを・・・!