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夏至祭

トナカイ

通訳・翻訳者リレーブログ

この週末は周囲の欧州諸国と同じく、夏至祭(ミッドサマー、フィンランド語でユハンヌス)です。本日25日は前夜祭で、当地ではこの日が実質最も盛り上がる日。夕方から、湖のほとりなど水辺でコッコ(Kokko)と呼ばれるかがり火を焚いて、短い夏を慈しみつつ、1年で最も長い一日を楽しみます(注:近年、祝日を週末に動かしているため、実際の夏至の日とは必ずしも一致しません)。
この日は洗礼者ヨハネにちなんだ教会の祝日でもある一方、フィンランドでは年間で最もアルコール消費量が多い時期なのだそうで、警察の皆さんが羽目をはずした人たちの対応に追われるシーズンでもあるようです。

当家の夏至祭の過ごし方は毎年違っていますが、今年は急遽、メインの2日間を地方の湖畔にある友人のコテージで過ごすことになりました。今日はこれから、車を東に3時間ほど走らせます。パンやフルーツ、グリル用のソーセージやチキンといった差し入れも車に詰め込んで、人里離れた自然の中に身を置いてきたいと思います。
ここは、特に子供たちが小さい頃にはよくお邪魔していたお家です。久しぶりの訪問に子供たちも大喜びで、友人が飼っているラブラドールにお土産を持って行きたいと言い出したので、犬用ジャーキーなども購入済。そしてこの家、電気は通じていますが水道はありません。飲み水は井戸から汲んだり、町からタンクで運んできたりするほか、入浴は湖から汲んだ水でサウナに。この間に湖で泳ぐのもまたよし、です。もちろん裸で・・・

現実を見れば、週明けにはいよいよ引越しがあり、荷造りはもちろんのこと、配管工事を終えた自宅の掃除もしなければならず(浴室を壊して上下水道管を新しく交換するという作業が行われたので、家中ほこりだらけです)、さらに侮れない量の仕事もあるのですが・・・
とにかく、友人から誘いがあった時に「何をもってしても、どうしても、休ませてもらいたい」という理屈を超えた強烈な衝動が沸き起こってきたのです。
祝日なのだから休んでいいに決まっているはずなのですが、何かしら言い訳しないと気が済まないというのか、後ろめたさが残るのは、一つにいつ何が飛び込んでくるかわからないという、この仕事の性質のせいでしょう。来るべき仕事にいつでも備えていたいということなのですが・・・
フィンランドでこういう状況の生活に入って、もうすぐ5年目を迎えます。

しかし、この週末は休みます!少なくとも、前述の大掃除の方は夏至祭から6週間(!!)の夏休みに入る夫に主導してもらうということで・・・
嗚呼、これでもワタシは日本人妻か?!

皆様もよい週末を。

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記事を書いた人

トナカイ

フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。

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