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徒然に

トナカイ

通訳・翻訳者リレーブログ

偏西風の影響で世界各地に熱波が拡がっているそうですが、ここヘルシンキも例外ではなく、ここ1週間ほどちょっと異常な暑さが続いています。週明け未明にスコールのような雨が降ってからは湿度の方もただごとではなく、何だか日本にいるみたいです(笑)。
先週はこちらでも在外選挙があり、日本の政治には大いに気になるところがあるのですが、アテンドに続き、週末も軟らかめのテーマでメディア取材の通訳があり、残念ながら選挙に行くことはできませんでした。
そしてソフトでトレンディな仕事から家に戻れば、量はそれほどではないものの極めてシビアな内容の翻訳・・・
家の中と外で仕事のテーマが全然違う、ということは自分にはとても頻繁にあります。何ともない方もいらっしゃるのでしょうが、この振れ幅の大きさに、自分自身いつまでついて行けるのか・・・

こうなってしまうのは自分が欲張りなせいもあるし、例えばフィンランドならフィンランド、という括り(フィンランドだけ、と決めつけてしまうとまた枝葉が伸びて違うことになるのですが・・・)でいろいろな分野を扱える何でも屋さんにならざるを得ない、ということもあるのかもしれません。そして、それに何となくついて行っている、多面相な自分がいるのも事実なのでしょう。
ですが、何といってもこの仕事は発注していただかなければ成り立たないもの。神の見えざる手・・・に誘われるまま、与えられたタスクを粛々とこなしている、というのが一番本当のところではないかと思います。

その分・・・という訳でもありませんが、自宅バスルームの改装を機に、プライベートではくつろぎの時間づくりも模索中。実は今回の改装では、バスルームに念願のバスタブがつきました。「えーっ、フィンランドってバスタブないの?!」と日本の方にはよく驚かれるのですが、当地では1970年代のオイルショック以降、フィンランドにはサウナがあるのだから水を節約するように、との政府からのお達しで、家庭からバスタブが消えていったのです。現在でも、特注しない限り、通常の新築物件にバスタブはついて来ないと思います。
当家は70年代以前の建築のため、最初はバスタブがあったそうですが、私たちが引っ越してくる前に約40年間住んでいた以前の住人の方が高齢となり、市の社会福祉部門からのお達しで、バスタブをはずし、入浴しやすいシャワーに改装するようにとの指示があったのだそうです。

(こうした、当局の「お達し」に対するフィンランド国民の従順ぶりも大変興味深いのですが・・・国と国民の関係は、基本的に日本と異なるようです。そのことについては、いつか機会がありましたら別に書きたいと思います)

もっとも、バスタブ自体に人気がないわけではなく、2000年以降、景気が盛り返してからは設置も増えているそうです。当家も・・・何といっても日本人ですし、子供たちも日本で体験して大好きですので・・・夫も、長年一人暮らしをしていたアパートにはバスタブがあったので、言わば全員一致で、設置が決まりました。

というわけで、昨晩は「なんちゃってハーブ風呂」にトライしてみました。バルコニー(冬は室内)で育てているレモン、ラベンダー、月桂樹の葉を摘んで適当に刻み、日本のお茶パックに入れてバスタブに。そして、そこに熱めのお湯を注ぐと・・・とってもいい匂い!
入浴後は、ベランダで夕涼みしながらビールなど開けて・・・

短い夏の、小さな幸せです。

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記事を書いた人

トナカイ

フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。

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