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徒然にスポーツ・芸術

トナカイ

通訳・翻訳者リレーブログ

夏は終わった、というより季節は変わった、と感じさせる今日この頃。昨日(2日)は12〜13度しか気温が上がらず、木枯らしのような冷たい風の吹く寒い日でした。

現在、ある調査プロジェクトで通訳をしています。日本では、まだこれから構築されていく未開の領域なのだそうで、フィンランドでの実践を調べにこられたとのこと。日中は食事をしている暇もないようなスケジュールで、クライアントの方も大変なのですが、今回、当方は現場の通訳だけでなくディスカッションのレポートも書かなければならず、しかも締め切りが目が飛び出るほど厳しいので、途方にくれております。
今日(3日)で最終日ですのでそれから録音を回し、自分の声と決してうまいとはいえない通訳を聞きながら原稿をおこしていくことになるのでしょう。正直いって、できれば聞きたくない、自分の通訳。このようにしてまた鍛えられていくのだと思いますし、そうでなければならないのですが・・・今から自己嫌悪です。

家に帰ると、娘が来週開かれる市の陸上大会出場選手に選ばれたというニュースが。走り幅跳び、徒競走、ボール投げなどに出るのだとか。
筆者はむしろ運動音痴、夫もスポーツにはまったく興味がない人ですので(ワールドカップの時も、当家はいつもすごく静か・・・)正直驚きです。ただし、夫の家系には2人、オリンピックのメダリストがいることを結婚してから聞きました。すごく昔の話ですが、一人は砲丸投げの金メダリスト、もう一人はボートのチームで銅を取ったらしいです。彼の家系はフィンランド湾沖合のとある島から出ており、一族にとって海とボートは身近なものだったようです。

フィンランドの体育の授業は、おそらく体を動かして楽しむことに重点があると思うので、この大会で抜きん出た成果を出すことが期待されているのではないと思います。でも、子供の頃から体力をしっかりつけておいてほしいとは切に願います。体力があれば、人間は余裕を持っていろいろなことができるのではないかと思うのです。気力でものごとを乗り切る、というのは日本的には聞こえがいい気もしますが、合理的ではない気がします。筆者こそ後者のタイプで、そもそもあまり気力もないのですがふんばらざるを得ない。でも、初めからもう少し体力がついていればそこまで気張る必要もないのでは?なんて思うこともあるのです。

フィンランドでは寒くなっても一日一度は外に出て体を動かすことが奨励されており、子供たちも厚着でがんがん外遊びをさせますし、大人も早く夕食を取って歩いたり、走ったり、サイクリングしたりしています。冬になれば、クロスカントリーができる場所も近所に少なくありません。
体を動かすという点においては、フィンランドに来て、実践している人々の健全な日常生活ぶりに目を丸くしたものです。

ちなみに、北欧では芸術が健康によい影響を及ぼすという医学的研究も盛んに行われています。前職の関係で知ったことですが、創作や実演だけでなく、鑑賞するだけでも健康に好影響を与えるとか。確かに、思い当たる節もあります。フィンランドを代表するクラシック作曲家のシベリウスは92歳まで生きましたし(ただし、作曲そのものは60代くらいまでしかできなかったそうですが)、さる音楽家の方は、昨年豚インフルエンザにかかったけれど2日高熱が出ただけで治ったと言っていました。当方は肩や背中のこりがひどいので、一日中机に向かって手書きで楽譜を書いていて何ともないのか、とその方に聞いたところ、ちっとも苦痛ではないとのこと。身体に負担のかからないデスク選びなども重要らしいです。この方、現在60代ですが、世界中を飛び回っていて鉄人だと思います。

ではフィンランド人の寿命を縮める原因は何なのかというと、これはダントツでアルコール問題なのだそうです。

では、そろそろ仕事に行ってきます。また来週。

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記事を書いた人

トナカイ

フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。

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