「おもわず手がのびる」空間かな。
みなさまおげんきですか。
私のジャングルは相変わらずジャングルのままです。
が、今週のかすかな進歩は、机のまわりが若干すっきりしたことです。
先日の洋服ダンスの教訓は机上にも通ずるなり。机のまえにズラッとならべて各国語の辞書・文法書を置いてるわたし。ところが昨今、この横一列にならんだ色とりどりの背表紙の前に、目を通さなくちゃいけない書類の山、写真の束、サイズも大小さまざまのポストイットやら、はては爪切りやら香水の瓶やら前髪をとめるためのヘアピンが何本もちらばり、「え〜っと、イタリア語の辞書・・・」と探り当てるまでに、この机上のプチ・ジャングルに小道を開拓しなければならない有り様。これでは、ボキャブラリーが増えるどころの話ではない!と一念発起し、辞書以外の品々を「駆逐」した次第。
おお、すっきり!!! 手を伸ばせばそこには、いまこのときまさに私が必要とする辞書の背表紙が微笑んでいる! という眺望にあいなりました。かすかではありますが、この変化は影響力大。スライトリー・バット・エフィシェントリー。こんごの私の語彙の増加にご期待下さい。
以前、東洋哲学にくわしいある知人と、整理整頓をテーマにおしゃべりしたことがあります。使ったものを、必ず元あったところに戻せば、部屋はけして乱れないはず。品物が増えても、それが生活に必要なもので、まめに使うのであれば、ジャマな感じはしないものです。ところが、なぜかそうならないのが人間ですね。その方がおっしゃるには「自分はそういう行動様式ができ上がっているから、部屋はいつもきれいなんです。でもウチの奥さんはどうもそういうことがわかってなくて、使ったものを違う場所に置きっぱなしにしたり・・・彼女の使う空間は、いつも乱雑。」なのだそう。「ようするに、自分が戻しやすい場所に、もともとその品物の位置を決めればいいだけのこと。それなのに、わざとそうじゃない場所をむりむり『定位置』にしてしまう」のが原因。そして、その「ものや人の必然の動き」を何と言うか?これを「道理」と呼ぶのだそうです。
あるべき場所にものを戻せない人、戻すべき場所を定位置と見抜けない人、とは、すなわち、ものの道理をわかってない人、ということだったのですね〜〜。いやはや、恐れ入りました。
それもそのはず、「道理」は英語で reason. フランス語では raison、イタリア語では ragione. リーズン、レゾン、ラジョーネ。
とくと肝に銘じます。