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うれしめでたしの、2月

ガットパルド(gattopardo)

通訳・翻訳者リレーブログ

バレンタインデーですね。
中学のとき担任の先生が、色気づきはじめる年ごろの教え子たちに向かって「セント・バレンタイン・デーというのは、本来、キリスト教の殉教者を称える日なのだから、悲しんで敬虔な気持ちになることすらあれ、浮かれてはしゃぐなどもってのほか!」と言ってたのを思い出します。1970年代ですもん、私の中学時代なんて。チョコレートマーケットのみならず、自国の経済のありとあらゆる急成長に「いまこのときこそ、こどもたちの精神には何が必要か?」を真面目に考えてた教師なら、もっともな発言ですね。
が、しかし。
時が流れることあれからン十年。どのデパートにも、スーパーにも、はては駅改札前の特設スタンドにも、これだけチョコレートがあふれにあふれてしまうと、もう、あの時の先生のお言葉など風前の灯火どころか、積雪の中のひとつぶの黒ゴマみたいなものね。先生、いま、ナニヲ思うか。
などと。シカシ私にとっては、このバレンタインデーこそ、自己の利益を足元から危うくする危険日なのよ、子供の頃から。だって私の誕生日はバレンタインの1週間前。友人はみなこぞってカレシ・カレシ候補・カレシ予備軍にプレゼントするチョコのことで頭がいっぱい、お小遣いもキチキチ。ねえ、あたしの誕生日わあ?? とリマインド・コールしたいわよ、マジ。
しかも、我が家族は、故人である父をのぞき、全員2月うまれ、キサラギ軍団。そして筆頭の日付が不運なことに、このわたし。
月の第2週目に母・妹からなにかしらもらえるのはいいとして、その2週間後には妹に返礼、さらに5日後には母に返礼。なんだかさあ、テクニカル・メリットは同点でも、印象点で損してない???
まあいいや、毎年のこと。・・・と開き直っていたら、本日郵便でフランスから小包みがとどいた。12月に一緒に旅行したベベたちが、律義に覚えてくれていたのです、マイ・バースデー。1週間おくれ、というところが、また、フランス人らしいね。はやる気持ちで箱を開けると、12月、みんなで南仏の中心街を散歩した時、しゃれたブティックで私が買おうかどうしようか迷って、でもまだ旅程の初めだし、これからもっと欲しいものにぶつかるかもしれないからと、結局買わなかった薄紫色のセーターが現れた。涙、涙、涙!!
・・・そんなわけで、元気にひとつ、年をとりました。
自室で今日もパソコンを前に、ちょっと奮発して有名ブランドの紅茶なんぞ入れて、はい、チョコ食べながら仕事してます。

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記事を書いた人

ガットパルド(gattopardo)

伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで!

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