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国際宇宙ステーションはしょっちゅう見える

アース

通訳・翻訳者リレーブログ

日本人宇宙飛行士の油井さんが7月23日から国際宇宙ステーション(International Space Station)に滞在しています。7月末には、「7月31日〜8月3日に油井宇宙飛行士が乗っている国際宇宙ステーションが見える!」等の報道がありました。他の日本人宇宙飛行士が滞在したときも、その手の報道がありましたが、このISS、日本人が乗っていなくても(当たり前ですが)見えるときは見えるんです。

ただ、
・みんなが見やすい夕方〜宵のうち
・ばっちり日本の上空を飛ぶ
さらに
・晴れている
という条件も必要ですので、実際、(楽に)観察できる場面は若干減ります。そして
・日本人が乗っている
という条件が加わって初めて、日本でのニュースバリューが出るということなのでしょうね。

わたしの場合は、オットのあきらくんが天文関係者で、観察可能な日程と時間を教えてくれるため、これまで10回以上は見ているかもしれません。

一度などは、すでに退役したスペースシャトルがISSにドッキングする寸前、ISSを追いかけて飛んでいる(というか浮かんでいる?)ところを見たこともあります。光の点が2つ並んで飛んでいて、意味もなくわくわくしました。

たいへんに難しいですが、ISSを望遠鏡で追いかけることができれば、「星ではない、カクカクした形のもの」であることが分かります。(スペースシャトルも、低いところを飛んでいるときは、双眼鏡で見ればなんとか形が分かりました。ぜんぜん関係ありませんが、イースター島に行ったとき、小さな島なのに滑走路だけはやけに立派で、なんで?と思ったら、スペースシャトルの緊急時の着陸場所に指定されていたそうです。幸い、使ったことはないようですが)

earth88.jpgオットのあきらくん撮影による全天写真です。白い線がISSの光跡。露出時間7分だそうですので、それだけかけて全天を横切ったということです(左下の白く明るいのは、残念ながら駐車場のあかりですが、ISS以外の空の点はすべて星です)。

つい先日も、とある花火大会に行ったとき、開始を待ちつつ一番星など探していましたら、つーっと空の真ん中を走る光が。

誰かが「UFO!!」とか言い出したら、自称・とんでも科学撲滅委員会の会員として「ちがいますあれは国際宇宙ステーションです!!!」と叫ぼうかと身構えましたが、だれも気がつかないままにお空の彼方に消えていき、わたしも逆の意味で怪しい人にならずにすみました。(宇宙人さんが地球に来ている確率はゼロに近いとわたしが考える理由については、2014年6月9日付のアースのブログ「宇宙人はいるけどいない話」をご覧ください)

ISSは飛行機と違い、巨大なソーラーパネルが太陽の光を反射しているのが見えるだけなので、点滅はしません。なので、金星のような非常に明るい星が動いているようにも見えます(あるいは未確認飛行物体にも?)。

いつも、音がする・・・ような気がしてしまうのですが、むろん、上空400kmのほぼ真空の空間を飛んでいるわけですから、音がするはずはありません。ただすーーーっと飛んでいきます。

そして、速いです。感覚的には飛行機と同じくらいのスピードですが、400km彼方の物体と、たかだか1万メートル(10km)先の物体が同じように見えることを考えても、ISSがどれほどのスピードで飛んでいるか、よく分かります。地球を1周するのに、約90分。1日でだいたい16周するそうです。

ISSが音もなく上空を通過していくのを見るたび、あんなものを作って飛ばしちゃうなんて、人間てすごいなあ、と思います。それを感じるだけでも、見る価値はある気がします。

やや違和感を覚えるのは、日本が関係しているときだけ宇宙開発が大々的に話題になること。つい最近では、欧州宇宙機関(ESA)が10年前に打ち上げた探査機「ロゼッタ」が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(Churyumov-Gerasimenko)に近づき、着陸機フィラエを投下して、彗星上に着陸させました。これって、日本が小惑星探査機「はやぶさ」で成し遂げたことと同じくらい、すんごいことだと思うのですが、日本ではうーん、いまいち話題になっていませんでした。先日、冥王星のフライバイ(接近・通過)を成功させた米国の無人探査機ニューホライズンズのことは、少しは話題になったでしょうか。

当然といえば当然なのですが、地球上での「国家」というくくりが、そのまま宇宙開発に反映されてしまうことに、いつも若干の違和感を覚えます。

少し極端な例ですけれども、米国では、月の「土地」を売る企業があるそうです。1967年の宇宙条約では、国家が月の土地を保有することを禁じているが、個人の保有は禁止されていないから、だそうです。

しかし、人類にとって宇宙進出は、何万年も前にアフリカを出発して以来最大の「節目」であり、正真正銘の新世界なのだから、新しい考え方を採り入れてはどうかなあ、と思います。原始共産制に戻れとかそういうことではなくて、地球の歴史すなわち領土の奪い合いの歴史をそのまま宇宙に持ち込まず、何か宇宙時代にふさわしい体制を作ってはどうか、ということです。

と、話が大風呂敷になってしまいました。

ともかく、飛行機と違うものが見えて、単純におもしろいですから、みなさんも機会があればご覧になってはいかがでしょうか。

上記の写真じゃよく分からん!という方は、こちらで早回しのタイムラプス動画をご覧ください(わたしが個人的にyoutubeにアップロードした映像です。やや暗いですが、右下から左上にすっと飛んでいきます。左上から右下に飛んでいるのは飛行機です)。

もう一つ、ISSが太陽の前を通過したときの動画はこちら。これは一瞬ですが、よ〜く見るとISSの形がわかります(声で36秒あたり)。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)のページで、日本国内でISSが見やすい時間を公開しています(「きぼう」は日本の実験棟の名前です)。

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記事を書いた人

アース

金沢在住の翻訳者(数年前にド田舎から脱出)。外国留学・在留経験ナシ。何でも楽しめる性格で、特に生き物と地球と宇宙が大好き。でも翻訳分野はなぜか金融・ビジネス(英語・西語)。宇宙旅行の資金を貯めるため、仕事の効率化(と単価アップ?!)を模索中。

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