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日本海側の遅い春

アース

通訳・翻訳者リレーブログ

日本海側のなが〜い冬もようやく終わり、きらきらした春がやってきました。雪と氷と雲と低温に閉じこめられる数ヵ月間を耐え忍んだ後だけあって、毎年のことながら、太陽のありがたさをしみじみ感じます。

卑近なところでなによりうれしいのは、「洗濯物を外に干せる」こと。雪国の家には、いわゆる「サンルーム」が必ずあるので、室内にかなりの量の洗濯物を干すことができます。でも・・サンルームとは名ばかり。だって、日なんかほとんど差さないんだもん。しかもわざわざ暖房しない限り、外と大差ない気温ですから、(おおげさでなく)一週間干しておいても、なんとなくじめじめした状態が続き、結局、リビングや仕事部屋で洗濯物と共に過ごしたりします。自分のためというより、洗濯物のために暖房している感じです。なのでお部屋は湿気ムンムン。においはともかく、のどやお肌にはたいへんいいです。(←ポジティブ思考)

乾燥機もありますけれども、最後の最後まで乾かそうとするとどうしてもしわくちゃになるし(なんとかなりませんか、あれ)、何より電気代が途方もない!

当地に来た当時は、わずかな晴れ間を見つけては、「やっと晴れた!!」といそいそと外に干した10分後、あっという間に雲がやってきて、あっという間に雨・雪・みぞれ模様になって、がっくし、ということが何度かあり、「冬に洗濯物を外に干してはならぬ」という教訓を学びました。こちらで生まれ育った方にしてみれば、「常識だろーが」と言いたいところでしょうけれど、「風があって乾燥していれば、相当寒くても一日で乾く」ところで育った人間には、かなりのショックでした。

ところで、北陸に住んでいる、と言うと「寒いでしょうねぇ〜」とよく言われます。確かに日本の中では寒い方かもしれませんが、感覚的にはう〜ん、実はそれほどでもないんです。なぜか。それは湿気が多いから。例えば同じ5度でも、湿度20%と70%では、感覚的にぜんぜん違います。湿度で暑さの印象が変わるのと同じです。とても寒い日でも、それほど苦労せずに布団から出られます。

なので、真冬に東京に行って、厳しく冷え込んだ日などは、周りの人よりもよっぽど寒がっていたりします。「耳がちぎれそうな寒さ」って、乾燥していないと味わえないんです。味わいたくもありませんが。

まあそれでも、気温が基本的に低いことは確かですし、何よりお日さまが拝めないのが悲しい。だから、春がどれほどうれしいか。少しずつ晴れ間が増え、梅が咲き、桜が咲き、田んぼに水が入って、カエルが鳴き出すと、まだ肌寒くても、なんとなく心がうきうきしてきます。

桜の時期は、東京などより2週間くらい遅いようです。全体的に寒いせいか、梅と桜が同時に咲くことも。

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朝靄の中の桜。雪がなくなると、たまに朝のおさんぽに出かけるのですが、これはその時の写真です。春先の早朝はとくに霧が多いような気がします。日が昇るに連れて、さーっと霧が晴れていく様は大変美しいです。

earth42.jpg夜中の桜。わたしがぐーぐー寝ている間に、オットのあきらくんが撮ったものです。鳥居や桜がはっきり写っているのは、月明かりのおかげ。それにしても、古き良きニホンという風情・・・なんだかトトロが出てきそうな雰囲気ですよね。(空に写っているのは当然ながら星です。長時間露出しているので、軌跡を描いています)

earth43.jpg桜でもう一つ。都会では考えられないこの状況。某公園で、一応、夜桜見物ができるように、ぼんぼりが灯されているわけですが、だ、だれもいません。。。ちょっと怖いです。

春になるとなくなるのがカニとブリ。春になるとこれら「北陸の主役」たちは姿を消していきますが、それでもなんだかんだとおいしい魚介類があるのがこの地域です。

4月のとある日曜日。スーパーの店先で、漁協が魚を直売していました。

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こんな感じ。上はアジ、下は裏返っていてわかりにくいですが、赤ガレイです。どちらも300円で安いけど、量が多すぎでしょ!!

earth46.JPG今冬(春?)最後のブリかなぁ。1800〜2500円はこれまた安い。刺し身で何人前とれるんだろう。20人分くらいか。だいたい、誰がさばくの? 右下にあるぼてっと丸いお魚はアンコウ(300円)。アンコウって、高級食材じゃなかったっけ? 小さいから売れないのかな。だいたい、どうやってさばくの?吊るし切り?

earth47.JPG生ダコ。まあこれは、でっかい寸胴にぶちこんでゆでればいいか・・。それにしても、グロい〜。

ってことで、わたしが買えるのはせいぜい、ワカメとアジ。

earth48.JPGワカメ。こ、これもグロい〜。

ワカメは、持ち帰ってすぐに大きな鍋でさっとゆでます。鍋に入れた瞬間に色がぱ〜っと鮮やかな緑色に変わるのを見ると、春をしみじ

み感じます。春先のワカメって、ほんとうにおいしいんですよ。最近は乾燥ワカメもかなりおいしくなりましたが、採れたてにはやはりかないません。

earth49.JPGそれと、小アジ(158円)。一本釣りなら、「大きくなって帰っておいで〜」と言いながらリリースすべき大きさですが、おそらく定置網か何かにかかってしまって、他の魚と一緒にあがってしまうのでしょう。このあたりのスーパーではよくお目にかかります。

小アジは、油で揚げて、南蛮漬けが定番です。いっそもっと小さければ丸ごといけるのですが、ここまで大きいと、頭を落としてゼイゴをとって、内臓を出す手間がかかります。でもおいしいので、せこせこと頭を落とし続けます。しかし・・何十匹ものアジの頭を落としたあと、それらが山積みになっている光景は、はっきりいってホラ〜です。

この日は結局、スーパーの中の鮮魚コーナーでブリの刺し身を買い、おそらくはこの春最後の「ブリの山かけ丼と春ワカメのみそ汁」をいただきました♪。(あれれ、春について語るはずだったのに…)


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記事を書いた人

アース

金沢在住の翻訳者(数年前にド田舎から脱出)。外国留学・在留経験ナシ。何でも楽しめる性格で、特に生き物と地球と宇宙が大好き。でも翻訳分野はなぜか金融・ビジネス(英語・西語)。宇宙旅行の資金を貯めるため、仕事の効率化(と単価アップ?!)を模索中。

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