Kombucha
先日、愛読している住宅・インテリア関係のサイトの「お宅拝見」的なコーナーで、たまたまニュージーランドの住宅が紹介されていました。英語の原文が日本サイト用に翻訳されていたその記事に、その家のオーナーは健康志向で、「毎朝、手作りの昆布茶を家族で飲んでいます」という文章がありました。
この「昆布茶」の箇所は、間違いなく「Kombucha」を訳したものだと思いますが、昆布茶とKombuchaはまったく異なります。昆布茶はご存じのように、昆布の粉末にお湯を注いで飲むのが一般的です。しかし、Kombuchaは、日本ではいわゆる「紅茶キノコ」を指すものなのです。「紅茶キノコ」は、私が子供だった昭和40~50年代にはやったもので、お茶を発酵させて、キノコのような形状になったものです。アメリカのハリウッドあたりで、「ダイエットや美容にいい」とブームになったようで、検索してみたら、日本でもカタカタ表記の「コンブチャ」で、最近はかなり出回っているようです。
Kombuchaは、NZでも、おしゃれで、トレンディなイメージで、スーパーの飲み物コーナーにずらりとすてきなラベルのいろんな味が売られています。自家製のKombuchaを育てる家庭も結構あるようです。でも、昆布茶を手作りしているキウイの家庭はまずないでしょう。
中央の段にずらりと並ぶKombuchaドリンク。ターゲットは食生活に気を配る、オーガニックやエコ指向の人々なので、デザインがとっても洗練されていて、なんだか魅力的。ちなみに私は、飲んだことはありません…。チャレンジすべき?
もちろん、「お宅拝見」記事で、「昆布茶」か「Kombucha」かは重要ではないとは承知しています。でも、翻訳とは、単語一つ一つの積み重ね。それぞれの文脈に合わせて、一つひとつの語句の訳し方に神経を配り、身近な生活関係の用語も気を許さず(むしろ、生活に身近な言葉ほど、地域が変わると、意味が変わる場合が多い)、できる限り検索を重ねて、確認をしていかねば、と改めて肝に銘じたのでした。