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3人+1匹の成人式

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

我が家がニュージーランドに移住したのは、2001年のこと。当時3歳だった娘が20歳になる日のことなんて、なんだか想像できなかったのですが、あっという間にこの日を迎えました。それまで、振袖をどうしようかと考えることは何度かあったのですが、なにしろこちらの1月は真夏。たとえ奮発して夏物の振袖をあつらえたとしても、着る機会はそうそうないと思われます。でも、せっかくだから、着せてやりたい、という母心。

ちなみに私自身は「成人式は行かない、振袖もいらない」派で、アメリカ旅行の費用を出してもらったので、自分の振袖はありません(お茶をしているので、着物は何枚もあるのですが)。しかも母親の振袖は、我が家の娘の七五三のために仕立て直してしまったので、振袖としては着れません。そして娘は、無関心。

さらにちなみに、ニュージーランドでは21歳を盛大に祝います。といっても、自治体は全く関係なく、それぞれの家庭でそれぞれの誕生日のあたりで、友人や親せきを招くのが一般的です。

ということで、どうしたものかと思案していたところ、この間、日本に帰省したときに、ちょうど開催された着物のイベントに行ったら、娘も私も気に入った柄で、しかも寸法がぴったりの振袖があったのです! これはラッキーということで購入して、さらに長じゅばんと飾り結び用の三重ひもを購入して、トランクに入れてえっちら持ってきました。着物って、絹なので、ずっしりと重いのですよ。

それ以外の小物はすべて家にあるものを合わせました。帯にいたっては、以前、ほかの着物などと一緒に送ってもらった時に入っていた母のお古です。古いものなので使う機会がありませんでしたが、振袖と色がぴったりで、しなやかなので、結びやすくて助かりました。

そして、1月始めのある日。着る方も着せる方も汗だくで、いざ着付け。1時間ほどかかって、髪の毛をまとめるところから、着物を着せ、途中に休憩を挟んで、帯をふくら雀にして、娘が自分でメイクをして、髪飾りは庭の花を切って差して、なんとか完成です。

むかーし、学生のころに着付けを習っていた時にふくら雀も練習して、検定試験でもやりましたが、すっかり忘れていたので、検索して、イメージトレーニング。とはいえ、思っていたようにはいかず、振袖の長い袖が思ったより邪魔で、あとから見ると、あれもこれもだめな所がありましたが(その時点では必死で気づかなかった)、まあ、短い間だけなので、なんとか持ってくれました。

夫に加えて、普段は写真嫌いの犬のゆきちゃんまでなんだかうれしそうにニコニコと写真に入ってきて、庭や部屋の中でわいわい言いながら写真を撮って終わり、というとても簡単な「成人式」。暑かったけれど、とっても楽しいひとときでした。

成人式の本来の趣旨とは違うでしょうが、母、大満足。我が家のいい思い出になりました。みんな、付き合ってくれてありがとう。そして、3歳で移住当初は友達から離れ、言葉も通じず、泣いてばかりだったのに、こんなに健やかに成長してくれてありがとう、心からおめでとう。

なぜだか満面の笑みのゆきちゃんと一緒に。
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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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