選挙
NZでも先月に総選挙があり、紆余曲折の末、政権が交代しました。新しい首相は、37歳のJacinda Ardernさんです。
数カ月前に野党であったLabour Party(労働党)の党首になったかと思ったら、あれよあれよという間に人気を集め、選挙では第一党にはなれなかったものの、ほかの党と組んで、過半数を獲得しました。この過程が数週間かかり、どうなることかと注目されていました。
大学生の娘が高校に通っていたころ、朝食会(NZの高校では、生徒や保護者向けにこういうイベントが定期的に企画される)のゲストに招かれたそうです。娘の言うことなので定かではありませんが、「あのころはー、なんかー、アシスタントやっているー、って言ってたよー」とのこと。今回、顔を見て、「なんか見たことある人だー」と思い出したそうです。
Labourの前党首が発言といい、行動という、なんだか反感しか招かないような行けてない人だった、という印象で、Labourは今度の選挙もだめだろう、という見方が主力だったように思います。ところが、Jacindaさんが党首になってから、みるみるうちにリーダーシップを発揮して、党としての存在が高まってきました。そして、「ひょっとしたら、行くかも」と言っているうちに、本当に首相になってしまいました(実際の選挙では、与党であったNational Party(国民党)に負けたわけですが)。
Radio New Zealandサイトより
笑顔が素敵な方です。私個人としては、Labourの施策には賛成できないのですが、NZの代表者としての活躍を期待しています。
そして、今日、Neighbourlyという電子版回覧板みたいなネット掲示板に、アフリカからの移民の女性のポストがあって、はっとしました。その方は、自分の母国での初めての選挙の思い出を書き込んでいました。選挙では野党が圧倒的に票を集めたのに、その選挙はなかったことになり、軍事力で与党が抑え込んでしまったそうです。彼女が仕事中に軍隊が街を制覇し、一週間後には大勢の友人や親せきが亡くなっていたことが分かったとのこと。
そのポストの最後に「You might feel it’s something simple having this kind of democracy
as you have it or experience it from childhood but believe me when I
say YOU ARE THE LUCKY ONES TO EXPERIENCE THIS IN THIS WORLD.」とありました。
ちなみにNZでは、私にようなNZ国籍がない移民にも条件を満たせば選挙権があります(被選挙権はさすがにない)。本当にそうだ、この権利を大切にしなければ、と改めて思いました。こういう気持ちを表現する時、英語の「appreciate」がぴったり来るように思います。