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If only I’d known then what I know now

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

週末に、分厚い新聞(日本の日曜版の比ではない)をコーヒーを飲みながら、じっくりと読むのは、私のささやかな日常の楽しみの一つ。今回は、

Financialのコーナーで、上記のタイトルの記事がおもしろかったです。「今の私が知っていることを、あのころの私が知ってさえいれば」という感

じ。「仮定法過去完了」の生きた事例ですね。私が高校の英語教師だったら、ぜひ例文として使いたい。

記事自体は、NZの有名人が若いころの自分にお金の使い方で教えたいことを紹介する、というもの。だれもが言っているのは、「あのころのお金を貯金しておけば」というもの。特にNZらしいなあ、と思うのは、「そして、そのお金で家を買っておけば」が続くこと。

NZ

では、独立したり、結婚すると、まずは家を買い、その家を次の家の資金にあてて、子供が生まれたり、収入の増加に合わせて買い替えることで、家の規模、環

境のレベルを上げていく、いわゆる「property

ladder(不動産のはしご)」を登る、という考え方が主流です。「終の住処」として新築の家を買う、という従来の日本的な発想は希薄です。少なくとも

今までは。

ただ、この数年のオークランドは、低い金利、移民の流入、投資家による購入の急増といった複数の要因によって、まさに不動産の

バブル状態。この5年ほどで家の資産価値が倍近くに上がってしまいました。このため、値上げされた家賃が払えず、人の家のガレージ、はたまた車の中で家族

で暮らす、という貧困層が増え、社会的大問題になっています。

さすがにオークランド市や国を挙げて、この対策に取り組み始めており、新築

物件には政府からの補助金が多く出るといった優遇策、郊外の住宅開発、既存の住宅地の集合住宅建設の規制緩和などが行われつつあります。このため、「いつ

かはバブルが崩壊する」という見方が強く、日本のバブル崩壊目撃者の私としては、「いったいどうなるのか」と、見守っている感じです。

れでも、この記事にはやっぱり最初に不動産の購入が挙げられていて、まだまだNZの不動産への信頼(信仰?)は根強いなー、と思った次第。これには、日本

に比べてはるかに借りる側の権利が弱く、大家の一方的な都合で契約を切られることも珍しくない、というのも理由の一つだと思います。

記事

では、ほかの有名人の教えとして、「健康を大切にする」「良いものを選りすぐって購入する」「慎重に投資する」「キャリアの選択は慎重に」「ローンは早め

に返す」など、どれも「さもありなん」という内容ばかり。そして記事の最後に、プライベートバンクのトップのコメントが紹介されていました。
「If I could only give my kids one

piece of financial advice it would be save more, spend less and listen

to your

Mum.” (子供たちに金銭上の助言を一つだけ伝えられるとしたら、もっと貯金して、もっと支出を減らして、お母さんの言うことを聞きなさい、になる。)

自身の若いころの自分のお金の使い方を振り返ると、バブル真っ只中の1980~90年代に大学生、社会人だったため、ブランドを買って、海外旅行にあちこ

ち行って、おいしいものを食べて、とおもしろおかしく過ごして、これはこれでよかったなーと思います。自分のためだけに時間(とお金)を使える若い時に、

自分のためだけに使うことは、とてもいい経験でした。それに、財テクには走らなかったので、バブルが崩壊しても特に損害はなかったです。もちろん、バブル

時代に大儲けもしていないわけですが。

ということで、さっそく、この記事を18歳の娘に読ませました。彼女が大学を卒業して、社会人になるころには、いったいどうなっていることでしょう。はてさて。

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オークランドはすっかり春めいてきました。こちらは、お散歩中の公園で咲いていた、春の始まりを告げてくれる花、水仙。

Written by

記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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