NZの大学への進学
2月は娘と一緒に、日本への3週間の帰省を楽しみました。思い出と荷物をいっぱい詰め込んで、今週の火曜日にニュージーランドに戻ってきました。そして翌日の水曜日には娘は、これから通うオークランド大学の新入生のための学部別のオリエンテーションに出席。ちなみに、全学生を対象とする入学式はありません。
ニュージーランドでの大学入学は、日本のような大学入試はなく、全国統一の学力審査基準であるNCEA(The National Certificate of Educational
Achievement)の成績で決まります。各Levelで教科を選択し、その習得度に応じたCreditを取得します。
CreditはInternal assessment(学内評価)とExternal assessment(全国統一試験:11月に実施)の合計の成績で決定します。NCEA資格を得るためには、各Levelで基準となるCredit数を超える必要があります。
さらに、ニュージーランドで大学に進学するには、大学の入学資格であるUniversity
Entrance(UE)が定めるNCEAのCredit数を取得しなければなりません。UEにおいて、NECAのLevel
1-3でそれぞれ必要なCreditの科目と数が指定されています。
ただし、UEは大学進学のための最低基準であり、希望大学、希望学科が設定している個別の要件を満たす必要があります。
義務教育は16歳までなので、大学進学をしない学生はYear12で終了し、就職や専門学校へ進学する学生もいます。日本と異なり、高校に通ったから「卒業」という概念はありません。
日本とニュージーランドの教育制度について、違うところを挙げていくときりがないのですが、大学での大きな違いの一つに、履修の仕組みがあります。日本の大学では(少なくとも私が在学していた30年前は)、必修科目を含めて、1つの学期に10科目ほどを選択していました。しかし、ニュージーランドでは通常、前期で4科目(paperと言う)、後期で4科目、合計8科目を履修します。
実験が多くて拘束時間が長いとか、レベルが非常に高いといった学部の事情は分かりませんが、少なくとも私が数年前に受講したオークランド大学の人文学部の翻訳学のコースの場合、8科目だけだったら、課題提出や試験期間を除き、それほど大変ではありませんでした。英語が母国語でなく、たった1人とはいえ子供がいる私でもそうだったのですから、時間の融通が利く若者であれば、こなせるはずです。山のような課題と試験のプレッシャーは、日本での大学より厳しいものがありましたが、これだって、私の心構えの違いが大きな要素であったのではないかと思っています。
この経験を踏まえて、私は娘に、Conjoint(コンジョイント)を勧めました。これは、2つの学部を掛け持ちする選択肢です。通常の1学部の専攻だったら期間は3年間ですが、Conjointは4年間となります。これ以外に、1つの学部の中で2つの専攻をするDouble Majorなどもあります。
来週からはいよいよ大学での授業が始まります。この4年間で、様々な経験を娘が楽しく積んでいくことを心から願っています。
3週間ぶりの庭では、ダリヤが咲き誇っていました。オークランドの日中はセミが鳴き、まだまだ暑いですが、朝晩はひんやりしてきて、秋の雰囲気が漂い始めています。