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ニュージーランドでお習字

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 私は悪筆です。学生のころ、習字の時間が苦痛で仕方がありませんでした。どうしてわざわざ字を習って、同じような型にはめた字を書かなければならないのか、理解できませんでした(これは、無知からくる勘違いであって、本当は美しい字にもいろいろと個性がある)。

 そして社会人になって、目上の人への挨拶状や結婚披露宴での名前の記入など、美しい字がさらさらっと書けたらなあ、という場面が出てきました。これではいかん、習いに行こうと実務的な理由から決心して、近所に書道教室も見つけて、行く気まんまんでした(ちょっと習って、ある程度うまくなればいいや、と思っていた)。ところが、その後のいろいろな出来事に流され(妊娠とか、NZへの移住とか)、始められないままでした。

 それが、ひょんなことから知り合いの日本人女性が習字をたしなんでおられる、と知り、「まったくの初心者に書道を教えてほしい」と頼んだところ、「教える資格はないけれど、一緒にお稽古する、という形で」と、快く引き受けていただけました。

 これがかれこれ1年前。月に1回、その方のおうちにお邪魔して、1時間ほど字を書きます。最初のころは、お手本を用意してもらって、筆の持ち方、姿勢から始まり、縦線、横線、永字八法と練習していきました。何から始めていいかすら、分からなかったので、手取り足取り教えてもらっていました。今は、お勧めの初心者向けの書道の本をアマゾンで購入して(いろいろあるんですねー)、見本にしています。

 最初は先生と私の二人だったのですが、習字の心得がある方が加わって、三人で和やかに、楽しくお稽古しています。

 家では、墨を使わずに、水でなぞって練習ができるお稽古用の紙(これもアマゾンで購入)を使って、気軽な稽古をしています。とはいっても、自主練習はほんの15分ほど、週に2、3回だし、月に1回のお稽古で見てもらうだけなので、歩みは遅々としています。

 でも、先日のお稽古では、「まっすぐの縦線がきれいに書けるようになったね!」と誉めてもらいました。いかに私の字が低レベルかがお分かりかと思いますが、書道はスポーツや音楽と同じで、フォームが大切であると同時に、なるべく続けて、ちょっとずつでも練習することが大事だということを発見しました。書道の奥の深さがほんの少し垣間見えただけでも、我ながら進歩だと思います。

 ということで、趣味(といえるレベルにまだ達していませんが)が一つ増えて、なんだか心豊かな感じです。いつか、中国の書家の臨書に挑戦してみたい、という目標ができました。

 

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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