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みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 NZに来て、「違う!」と思ったものの1つに、仕事への取り組み方があります。
 NZでの最優先課題は、家族や自分の時間です(もちろん、人によって違うでしょうが、一般的に)。このため、定時に仕事を切り上げます。できないことは明日以降に回します。そんな仕事を注文する顧客や割り振る上司が悪いのです。
 この間、NZの翻訳会社に勤めている女性と話していたら、「金曜日の午後になると、どこからともなくバブルズ(日本でいうシャンパンのこと)が回ってきて、仕事どころではなくなる」とのことでした。
 翻って日本の翻訳会社の場合、金曜日の夜でも、クライアントの依頼の対応に走り回っています(実際にのぞいてみたわけではありませんが、金曜日のメールや電話の緊迫度から察するに)。
 日本では、深夜まで働くので子供の寝顔しか見られない、という働き方は、特に珍しいものではありません。そのような多くの人々のお陰で、今日の日本の経済的発展があるのです。
 しかしNZでは、そんな働き方をする男性は「ワーカホリック」として、離婚の原因になる確率が非常に高いはずです。
 また、「単身赴任」という仕組みも、NZではまったく理解ができないものです。家族が離れ離れで暮らすなんて、家族としてありえないし、そのような「非人道的な」措置を要求する会社の存在そのものが理解されません。
 しかし日本では、なぜ単身赴任がNZで理解されないか、ということ自体が理解されないでしょう。
 できないものは「できない」と、定時にとっとと帰ってしまうNZと、顧客の依頼にこたえるために残業をする日本。家族が優先事項のNZと、仕事が優先事項の日本。
 どちらがいいとか、悪いとかではなくて、「違う」のです。
 世の中はグローバル化、フラット化が進んでいるといわれて久しいですが、それぞれの国によって価値観はまだまだ違うなあと、日本とやりとりしながら、NZに住む私は思います。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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