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夫婦のあり方

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 オークランドは黄葉が深まり、だんだんと肌寒くなってきています。先週末は、日本人の知り合いのお宅で、鍋パーティがありました。参加者6人は全員日本人で、共通点は「お母さん」であること。日ごろはそれぞれ、仕事や育児、家事などでばたばたとしているので、たまには夫に子供を託し、のんびりと、おいしいものをつつきながら、女同士でおしゃべりするのは楽しいものです(ちなみに招いてくれた家のご主人は、海外出張中)。
 今回、特に印象に残った話題は、配偶者との付き合い方。配偶者がキウイ(NZ人の愛称)なのは3人、日本人なのは私を含めて3人でしたが、キウイのご主人を持つ3人が全員、いかにご主人の愛にこたえるのが大変かを嘆いていました。
 とにかくキウイ男性は、夫婦2人の時間を大切にし、妻からのアテンションを求めるのだそうです。(サンプル数3と少ないですが)。例えば、夜、寝る前にのんびり読書を楽しみたいのに、「寝る前は語らって過ごすものだ」と不機嫌になられたり、子供のことでばたばたと忙しくしていると、「自分のことは全然見ていない」とすねられたりして、なだめるのが大変なのだそうです。
 確かにこちらでは、日本より、夫婦としての過ごし方、求め方が濃厚という気がします。年齢を問わず、カップルが手をつないだり、肩を寄せ合って仲良くしている情景をよく見かけます。
 また、例えば、夫の友人にイベントに招待されたとすると、妻はその友人をよく知らなくても、夫婦同伴での出席が原則となります。そういう場合、いくらキウイが見知らぬ同士の気軽な会話が上手であるとはいえ(上手にならざるを得ない?)、知り合いがいなくて、話し相手もおらず、手持ち無沙汰となることだってあります。しかし、夫にとっては見知らぬ人ばかりという、妻側の関係によるイベントもありうるため、こういった状況はお互い様なのです。つまり、そんな思いをすることがあっても、夫婦とは一緒に行動するものなのです。
 一方の日本では、夫婦で参加が求められるイベントは、NZよりずっと少ないように思います。例えば、夫の会社の忘年会に妻も参加する、といったことはあまり一般的ではありません。そもそも、平日の就寝前にのんびりと夫婦で会話を楽しむ、など思いつくどころではない、深夜まで残業の夫(または妻)も多いはずです。
 そういえば、日本で英語講師をしている英国人のブログをたまたま読んでいたら、「英国やNZ(彼はNZでも教えていたことがある)では、カップルで行動することが要求されるので、独り者のぼくにはつらかったが、日本は一人でもいろいろとイベントに参加して、楽しめる点がいい」という趣旨のコメントがあって、「カップル文化って、こういう側面があるのか」と気付かされました。
 夫婦のあり方一つとっても、お国柄が表れるものです。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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