Flu
インフルエンザ(fluを使うのが一般的)との闘い、それは先週の金曜日の朝に始まりました。娘が突然、「頭が痛い」と言い出したのです。おでこを触ると、ひどく熱い。39度を超えています。その前日まで元気だったのに(「突然の発熱」こそ、インフルエンザの特徴らしい)。
なんとその日から、今週の水曜日まで、夫は出張。「熱が下がらなかったら、明日にでも病院に行ったら」という言葉を残して、旅立ってしまいました。
ぐったりとした娘は、食欲もありません。薬剤師である私の父親が送ってくれた風邪薬を飲ませましたが、熱は午後8時には、40.5度に。あわてて、10時までやっている救急病院に娘を連れていきました。
歩くのもままならず、駐車場から病院の入り口まで、引きずるように連れていきました(9歳、体重30キロ)。この日はとても寒く、大風・大雨だったのですが、この時間だけ雨がやんでくれていて、本当に助かりました。
病院では幸い、数十分待つだけで見てもらえました。まず、髄膜炎(Meningitis)の心配はない、とのこと。ニュージーランドでは、インフルエンザの症状が出たら、まずこの病気を心配します。娘は予防接種も済ませているし(あまりにもはやったので、2年ほど前に子供に義務となりました)、アゴが首に付けば大丈夫、とのことで(本当か!?)、とりあえず解熱剤を処方してもらいました。
ただ、この高熱は心配なので、念のため、翌日にGPに見てもらうように、とのこと。こちらでは熱を「とりあえず」下げるための注射や点滴は、ほとんど行われません。
GPとは、「General Practitioner」のことで、「家庭医、一般医」などと訳されているようですが、そもそも医療制度が違うので、日本の人にはピンと来ないのではないでしょうか。
NZ(英国などでも同様の制度らしい)では、具合が悪くなると、歯医者以外の場合はまず、かかりつけのGPに見てもらいます。日本のように、小児科、産婦人科、泌尿器科などと分かれていません。
そのGPで手に負えなくなると、紹介状を書いてもらって、総合病院(hospital)や専門医(specialist)に診てもらいます。
このため日本の感覚で、「ちょっと風邪で病院へ」のつもりで、「go to hospital」と言うと、「え、どんな重病!?」とびっくりされる可能性が高いのです。
いいGPを見つけることは、NZで生活するうえでとても大切です。私は知り合いに教えてもらって、車で10分ほどの近所で開業している、とても穏やかで、やさしい女医さんをかかりつけのGPにしています。
今回、9時30分ごろに着いて、3人待って(土曜日だけは予約しなくてよい)、診てもらえました。昨晩もらった解熱剤のお陰で、熱はだいぶ下がっていましたが、ぐったり度は変わらず。たこみたいにふにゃふにゃの娘を連れていくのは、やはり大変でした。
そして、症状を伝えて、診てもらった後、「あの、インフルエンザではないかと思うのですが」と言うと、「私もそう思うわ。先週、特に子供の間で、ものすごくはやっていたのよ」とのこと。
「インフルエンザはウィルスによるものだから、抗生物質は効かないので処方しません。昨日の解熱剤をしばらく飲ませて、症状が悪化するようだったら、また来てください。5〜7日は症状が続くでしょう」ということでした。
日本の感覚だと、診察(consulting)だけで手ぶらで病院から帰ってくるのは、どうも心もとないのですが、こちらでは珍しいことではありません。タミフルは、普通のNZ人は知らないと思います。
帰宅後、先生からもらった風邪とインフルエンザに関するパンフレットを眺めていたら、最後に、「症状を平均1日〜1.5日短くすることができる薬がオプションとしてあります。主治医と相談してください」という主旨のことが書いてありました。タミフルは、この薬の一種でしょう。そういえば、全世界のタミフル消費量の75%を日本が占めていると、聞いたことがあります。たった1日やそこらの症状の改善のために、どうして副作用が見極められていない薬が日本で乱用されるのか、国外から眺めているととても不思議です。
ということで、高熱は3日ほどで下がりましたが、娘は水曜日現在、ホリデイ満喫どころではなく、ずっと家にとじこもっています。現在の症状は、セキ、鼻水、それに夜の微熱です。
娘に付き合って、私もずっと兵糧生活でした。仕事関係を除けば、夫から毎日かかってくる電話が唯一の下界との交信、という感じでした。今日(水曜日)はようやく夫が帰ってきたので、やれやれです。
そして、なんだか私、のどがイガイガして、ほおが少し火照っていて、頭がちょっと痛いのですが、気のせいですよね? ね?