高齢化社会
引き続き、のんびりと日本での帰省生活を送っています。
ただ、先日、風呂上りに何気なく見たNHKスペシャルは衝撃的でした。テーマは、コムスンが営業停止をした後の介護サービスの実態です。
番組によると、24時間体制、日本全国でのサービス展開をうたったコムスンの撤退によって、地域によっては介護サービスが受けられなくなり、遠くに住む家族が通わなければならなくなったりするケースが増えているそうです。また、採算を取るために、夜の9時から朝の8時まで、30分ごとに各家庭を巡回する介護サービス担当者の過酷な労働の実態も紹介されていました。
私はてっきり、介護保険によって介護サービスが受けやすくなり、介護を取り巻く状況は改善されつつあると思っていました。しかし番組では、まだまだ理想とは程遠い現実の厳しさをまざまざと映し出していました。
私の実家は、大阪近郊のベッドタウンにあります。昭和50年代に山を切り開いて開発された地域で、当時の若いサラリーマン家庭が一斉に入居しました。このため30年たった現在では、ご近所には私の両親と似たような60代、70代の人が多く、介護サービスを受けている家庭もたくさんあります。お迎えのお家の奥さんはパーキンソン病だし、道路をはさんですぐの家の奥さんはリューマチでずっと寝たきりです。奥さんに先立たれて、独り暮らしの男性のお家もすぐそばです。
幸い、私の両親は大病をすることなく、元気に暮らしていますが、介護の問題がいつ降りかかるかは分かりません。だから、この番組を見て、非常に考え込まされました。
さらに、朝日新聞社発行の「論座」9月号を読んでいたら(翻訳特集があったので)、「都市部に待ち受ける深刻な事態」と題して、高齢化についてのデータが掲げられていました。それによると、2005年現在の高齢化率が27%の島根県では、今後10年間で65歳以上人口がさらに11%増加し、高齢化率は33%に達します。
しかし、高齢化は地方だけの問題ではないのです。首都圏では、2005年から2015年までに、65歳以上人口の増加率は45%と見込まれ、高齢化率は2005年の17%から15年には25%へと上昇することが予測されています。つまり、4人に1人は高齢者ということになるのです。
改めて、日本の高齢化問題の深刻さを実感しました。と同時に、こうやって両親にあたたかく迎えられ、のんびり過ごす日々の大切さ、ありがたさをしみじみと感じています。