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冬の気配

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 オークランドは雨が多くなり始め、なんだか秋の気配です。こちらの秋と冬と春は雨が多く、風が吹き荒れ、暗くて、寒いし、苦手です。
 今年の夏は何十年ぶりかの快晴続きでとても快適でしたが、農業や酪農は大変とのこと。また、こちらは水力発電が主要な発電源なので(「非核宣言」によって、原子力発電所は皆無)、降水量は非常に重要です。日本と違って、夏は冷房いらずですが、冬の暖房や温水のために電気は冬にピークになります。
 夏の間は、「このままではこの冬は電力不足か」とかなり報道されていました。降水量の問題だけでなく、設備の老朽化や需要の急増も、電力不足が騒がれている理由です。ただ、どうやら少なくともこの冬のオークランドは大丈夫だろう、という記事が新聞に載っていました。
 思わず苦笑してしまったのは、「たぶん大丈夫だろう。ただし、ろうそくは念のため用意しておくように」という一文。
 日本に比べて、小さな停電はかなりしょっちゅう起きるし、2年前には平日に半日以上、オークランド中が停電になりました。でもなんだか対応がのんびりしているのです。カスタマーサービスに電話しても、「へー、その地域も停電になっているのー」と、まさにのれんに腕押し。ちなみにこのときの大停電の原因は、大風で送電装置の一部がちぎれてしまったことでした。
 そういえば、まだNZに住み始めて2、3年目のころ。キウイの知り合いに、「昨日、停電があったよねー」という話をしたときのことです。その前の晩、10時ごろに1時間ほど停電したので、「あんな時間に停電なんか起きて、困ったわー」と言ったら、「あら、ろうそくがなかったの?」と、すごく不思議そうに言われました。
 いや、日本で夜の10時だったら、まだまだ宵の口で、大勢の人が困ったと思うのですが。「そっかー、そうやってこっちの人はたんたんと停電をこなすのだなー」と、いわゆる「カルチャーギャップ」を感じたのでした。
 今年の冬は停電になりませんように! あ、ろうそくは山のようにあります。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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