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いきなり来週から大学生です

みなみ

通訳・翻訳者リレーブログ

 3月から、仕事をいったん休業して、オークランド大学で1年間の翻訳コース(Postgraduate Diploma in Translation Studies)に通うことになりました。
 Postgraduate Diplomaということで学位取得者を対象にしているので、日本風にいえば、「大学院に行く」ということになります。ただ、こちらでは「大学」「大学院」という概念はなく、大学の中で、Undergraduate、Postgraduate(その中で、私のようにDiplomaだけを取るコースやMaster・PhDを目指すコースに分かれる)に分けられます。
 このコースで一定以上の成績を取ると、ニュージーランド翻訳者協会への入会資格が得られて、役所に提出する公式翻訳書類の仕事をする資格が得られるのです(日本では翻訳に、特にこういった資格は必要ありません)。このコースがあることは前から知っていましたが、1年間、大学に通うということは、自分がついて行けるかという不安に加えて、家族を巻き込むことにもなります。それで、なかなか決心がつかなかったのです。
 ところが去年の10月に、このコースの実務クラスを受け持っていている翻訳者の知り合いから、「1回授業を見に来てみたら?」と誘ってもらい、授業の様子を見学しました。そして、「やっぱり、翻訳をちゃんと勉強してみたいなあ」という思いがふつふつと起こってきたのです。それ以外に、NZで、子供の学校関係とか、夫の知り合いとかではなく、自分自身としての世界を経験してみたい、という願望もありました。
 夫に相談したら、あっさりと、「やってみれば。1年でしょ」とのこと。
 そこで、ついに決心して、「やっぱり、来年、このコースを受けます」と、授業に誘ってくれた知り合いに伝え、コース責任者の女性を紹介してもらいました。
 授業についてはおいおい、お伝えするとして、以下は、もしかして、ニュージーランドの大学での勉強を考えておられる方のために、ご参考までに記しておきます。とにかく、日本とはあらゆる段取りが異なります。
 まずはとりあえず、紹介してもらった先生に話を聞くことにしました。メールでアポをとって、当日、その先生の部屋に行ってみると、「あら、どなたかしら?」と聞かれました。まあ、これはNZにいれば、想定内なので(むしろ、ちゃんと部屋にいてくれてよかったと思った)、「今日、アポをとった、コース希望者なのですが」「あら、そうですか、お名前は?」という感じで、この先生との会話は始まったのでした。
 そして、私の経歴を伝え、来年、コースを受けたい、という話をすると、ちゃちゃっと、来年のコース講座予定表をプリントアウトして、「これと、これと、これを受ければいいわ」と、選択授業を設定してくれました。
 そして先生は、「入学にはコース責任者の面接が条件なの。これは、今日でクリアね」ということで、面接は緊張する間もなく、クリア。大学への入学というとイメージされる筆記試験はありません。
 提出が必要だった書類は、日本の大学での学位取得証明書、成績書、NZQAという役所での大学評価レポート(私が卒業した大学がNZの大学レベルであることを認める書類)、永住権証明書(留学生だと学費が倍になる)、婚姻証明書(婚姻によって名字が変わっているので、旧姓を証明する必要があったため)、そしてIELTS(イギリス英語圏の英語試験)の成績証明書でした。
 実は、これらの書類はほとんど、4年前に教職関係の大学に行こうと思って集めていたものでした(これもかなり苦労しましたが、別の話なのでおいておきます)。気になっていたのが、IELTS。必要なスコアは7.0で、私は7.5だったので、成績自体は問題なかったのですが、実はIELTSには2年という有効期限があるのです。
 で、先生にそれを伝えると、「大丈夫だと思うけれど、念のため、確認するわね」と、どこやらに電話。ただし、スペイン語だったので(この先生はスペイン人)、内容は不明。電話を終えた先生は、「問題ないわ。あとはこの書類を大学側に出してちょうだい」ということでした。
 それで、さっそく家に帰って、オンラインで大学に申請して、数日後に書類を提出して、「なんだか、とんとん拍子だわー、来年からは女子大生かあ、えへへ」などど思っていたのでした。
 しかし、そこにはやっぱり、落とし穴があったのです。そのために、実際に大学へ行くことが決まったのは、2月3週目だったのです。
 大学申し込みの道のり、後半は来週へ続く。

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記事を書いた人

みなみ

英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。

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