バスに乗り遅れて
オークランドでは、昨年末に大学を卒業した学生たちの卒業式が学部ごとに日を変えて行われていて、あちこちで、黒いガウンをまとった卒業生たちを見かけます。日本と違って、卒業してから随分たってから開催されるので、仕事の関係で出席できない人もいたりしますが、みんな、うれしそうに記念写真を撮ったりしていて、こちらまでなんだかうれしくなってきます。
さて、今日はオークランド大学で行われた、NZSTI(ニュージーランド翻訳者通訳者協会)のオークランド支部ミーティングに行きました。本来ならまだ参加資格はないのですが、practicalの先生が誘ってくださったので、クラスメイトみんなで参加したのです。講演のテーマは、「翻訳者・通訳者にとってのCode of Ethics」。オーストラリア公認の翻訳・通訳資格であるNATTIの発行している「Code of Ethics for Interpreters & Translators」に沿って、オランダ人通訳者(元看護師で、医療通訳が専門)が様々な事例を紹介しました。時折、聴衆から体験談に基づいた質問が寄せられたのですが、その英語の素晴らしいこと!(通訳・翻訳という仕事柄、会員はキウイよりも外国人の方が多い) もちろん、それぞれのお国のアクセントが残っていたりしますが、「はあ、これだけ流暢に、すらすらと自分の意見が言えたらいいなあ」と、つくづく思いました。
帰りは9時近くになって、「バスに乗り遅れる」とあせっていたら、同じミーティングに出席していたアメリカ人女性が、「あら、私と同じバスだわ」ということで、帰りが一緒になりました。2人で必死に9時のバスに乗ろうと走ったのですが、間に合わず。9:40のバスを待つ間、そしてバスに乗ってからも、おしゃべりをしていました。彼女、Lizは、今は両親ともNZに住んでいますが、お父さんが中国語の通訳だったために、フィリピンで生まれ、台湾で5歳まで育ち、その後、ニューヨーク、シカゴで過ごしたそうです。周りにスペイン語をしゃべる人が多かったので、耳からスペイン語を覚え、今はスペイン語の通訳を目指しているとのこと。
スペイン語の勉強についてや、NZでの生活についてなど、初対面にも関わらず、聞き上手で話しもうまい彼女のお陰で、いろいろと話が弾みました。私が「オークランドの冬は雨が多いから嫌い」と愚痴を言うと、「私は雨はなんとも思わないの。雨は、空とか、海とかと一緒で、私にとってはただ存在するもので、イヤだとか思わないようにしてるの。だって、オークランドで雨がイヤだと思ったら、ずっと憂鬱になるでしょ」とのこと。こういうポジティブシンキングを見習おうと思いました。ただ、NZの住居の寒いのには参る、NYのセントラルヒーティングが恋しいと言ってましたが・・・。
6月末のNATTIの通訳試験のために、今は仕事もやめて猛勉強中とのこと。なんだか元気をくれる女性でした。ということで、私も気合いを入れて、明日午前10:00までに提出しなければならないAssignmentの最終チェックに入ります。