Paper追加登録の道のり後半編
さて、後期の授業が始まった月曜日、さっそくESOLの授業を受けて、文学部の窓口で手続きの確認のために30分並んだ私に待っていた宣告とは・・・。
「書類はなくなってしまったので、もう一度、用意してください」
まあ、そうなるだろうな、と予測はしていたものの、「えー、またこの列に並ばなければいけないのかー」とうんざりしたら、受付の女性が「今度提出するときは、この列に並ばずに声をかけてくれたらいいから」と、とりあえず申し訳なさそうな顔をして言ってくれました。それで気を取り直し、彼女の名前がEmilyであることを確認して(覚えやすい名前でよかった!)、私は再び、書類にサインをしてもらうために、ESOLの教授にアポを依頼するメールを送ったのでした。
幸い、すぐに返事が来て、「それはひどい。私は今期は担当外なので、・・・に頼んでください」とのこと。そして教えてもらった教授にメールを送って、アポを取って、翌日にはサインがもらえました。ESOLの教授が所属するApplied Linguisticsのビルは文学部からは徒歩10分ほど。いったりきたりでいい運動になりました。
そして、窓口のEmilyに声をかけ(やっぱり列がずらーっと続いていた)、割り込んで書類を見てもらい、Emilyが奥にいる責任者と話し合った結果、なんと・・・。
さらに2つのOnline登録を処理して、2種類の書類を記入して、用意した教授のサイン入り書類と一緒に提出してください、とのこと。げんなりした私を見て、Emilyはてきぱきと、手書きのメモで、やるべきことリストを作ってくれました。これは、私がネットでメニューを検索する時に非常に役立ったメモでしたが、1ヶ所、指示自体が間違っていたところがありました。お陰で1時間ほど大学のサイトをうろうろしてしまいましたよ、Emily・・・。
まあ、とにかくそうして、その週のうちにすべての書類が完成したのですが、提出は翌週にすることにしました。なぜなら、Emilyは月・火しか見かけなかったからです。何も分からない新たな人がからんで、書類が行方不明になったり、とんちんかんな手続きをされては元も子もないので、慎重を期することにしました。Emilyがとってもしっかりした、感じのいい人だった、ということもあったので。
そうしたら、書類を提出する前に、その週のうちに、「オンライン手続きが完了したので、あとは、教授のサイン入りの書類を持って来なさい」というメールが文学部事務局から届いたのです。だから、私はとっくにそれを出して、そっちがなくしたのでしょう! と、ここで言っても仕方がないですが。
というわけで、翌週、Emilyをつかまえて、サイン入りの書類と指示された追加書類を提出して、Emilyが責任者としばらく話し合い(何を話し合っていたのだろう? まただめかとちょっと不安でした)、ようやくOKとなりました。
最後に、「授業料の支払いはどうなるの? Onlineでできる?」と聞いたら、「かならず事務局から請求書が来るから、それからでいいけれど、まあ、念のため、サイトも見ておいたらいいかも」とのこと。家に帰ってからそれを思い出してサイトを見たら、すでにOnlineで支払いができるようになっていて、しかも、支払い期限はその日。こんなことだけは、てきぱきと早い…。あわてて、クレジットカードで支払い手続きを済ませました。やれやれ、これで一件落着。たぶん。きっと。
こんなことは日常茶飯事のNZですが、そのたびに私は、カフカの「城」を思い出すのです。なんとかして城にたどり着いて、目的を達しようとする主人公は、なぜかあれこれと支障が出て、どうしても城にたどり着くことができない…。という話を知り合いのイギリス人にしたら、彼はカフカの「変身」を思い出すとのこと。「だってさ、自分がまるで、普通の人間じゃなくて、違う生き物みたいな気分になるじゃないか」とのこと。
そんな国に住んでかれこれ8年、来月9月にはNZ在住9年目を迎えることになる私です…。